雨に強い照明：防滴型器具の選び方

雨に強い照明：防滴型器具の選び方

防滴型器具とは

防滴型器具とは、屋外で使うことを考えて作られた照明器具のことです。雨や風にさらされる場所でも安心して使えるように工夫されています。たとえば、家の軒下やベランダ、庭先の屋根付きの物置など、直接雨に当たるわけではないけれど、風で雨水が吹き込んできたり、水しぶきがかかったりする場所に設置することができます。

完全に水に沈めてしまうような場所には向きませんが、多少の雨水がかかっても大丈夫なように設計されています。器具の内部には水が入り込みにくいような構造になっており、安全に電気を使うことができます。パッキンと呼ばれるゴム製の部品が使われていたり、器具の隙間を小さくすることで水の侵入を防いでいます。

同じように屋外で使う照明器具に防水型器具というものもありますが、こちらは防滴型器具よりもさらに高い防水性能を持っています。プールサイドや浴室など、大量の水がかかる場所でも使えるように作られています。そのため、防水型器具と比べると防滴型器具は防水性能は劣りますが、その分、価格が安いというメリットがあります。設置場所の条件が防滴型器具で問題なければ、防水型器具を選ぶよりも費用を抑えることができます。

防滴型器具を選ぶ際には、設置場所の環境をよく考えて選びましょう。どの程度雨や水しぶきがかかるのか、どのくらいの風が吹くのかなどを確認し、器具の性能が設置場所の環境に合っているかを確認することが大切です。設置場所の環境に合っていない器具を選んでしまうと、故障の原因となったり、思わぬ事故につながる可能性があります。安全に快適に屋外照明を使うために、器具選びは慎重に行いましょう。

設置場所の選定

雨や風にさらされる場所に電気の器具を取り付ける際には、設置場所をよく考えることが大切です。水がかかりにくい器具を選ぶことはもちろんですが、どこに設置するかによって、器具の選び方や設置方法が変わってきます。

まず、屋根がある場所かどうかを確認しましょう。軒下や縁側は、雨から守られているため、水がかかりにくい場所と言えます。このような場所であれば、多少の水がかかっても大丈夫な器具で十分です。しかし、屋根があっても吹き込む雨や風の影響を受ける場合があります。例えば、風の強い日に設置場所を観察してみましょう。雨は降っていなくても、風が強いと雨水や埃が吹き込んでくることがあります。このような場所には、より水や埃に強い器具を選ぶ必要があります。

屋根のない場所に設置する場合は、雨風に直接さらされるため、防水性の高い器具を選ぶことが必須です。また、器具の設置角度も重要です。雨水が器具の中に溜まらないように、なるべく下向きに設置するなどの工夫が必要です。さらに、雨の日に設置場所を観察し、どの程度雨がかかるのか、水たまりができる場所はないかなどを確認することも大切です。

設置場所の環境をよく理解し、器具の防水性能だけでなく、設置方法も工夫することで、安全で快適な暮らしを実現できます。設置前に、風の強い日や雨の日に設置予定場所を実際に見て、どの程度の雨や風の影響を受けるのかを確認しておきましょう。周りの状況をよく見て、慎重に設置場所を選定することが、快適な暮らしへの第一歩です。

器具の種類と選び方

水がかかりやすい場所に設置する照明器具、つまり防滴型の照明器具には様々な種類があります。まず、形や模様、明るさ、そして光の色合いなど、実に多様な選択肢があります。設置する場所や目的によって最適な器具は変わるため、しっかりと吟味する必要があります。

例えば、家の顔とも言える玄関のポーチには、人の動きを感知して自動で点灯する人感センサー付きの器具が便利です。これなら、両手が荷物で塞がっている時でも、暗い夜道でも安心です。一方、くつろぎの空間であるベランダには、落ち着いた雰囲気の器具が適しているでしょう。温かみのある光で照らされたベランダで、夜風を感じながらゆったりとした時間を過ごすのも良いですね。

また、器具の材質にも注目しましょう。屋外で使用する器具は、雨風や日光に晒されるため、耐久性が非常に重要です。錆びにくい材質や、紫外線による劣化に強い材質を選ぶことで、長く安心して使用できます。例えば、ステンレスやアルミなどの金属素材は錆びにくく、樹脂素材は軽量で扱いやすいといった特徴があります。

明るさについても、設置場所に合わせて適切なものを選びましょう。玄関ポーチは、周囲を明るく照らすために、ある程度の明るさが必要です。一方、ベランダは、明るすぎると落ち着かない雰囲気になってしまうため、やや控えめな明るさが良いでしょう。

光の色合いも、空間の雰囲気を大きく左右する要素です。温かみのあるオレンジ色の光は、リラックスした雰囲気を演出するのに適しています。一方、青白い光は、すっきりとした印象を与えます。

購入前に、各製品の仕様や特徴を比較検討し、設置場所や目的に最適な器具を選びましょう。インターネットで情報を集めたり、実際に店頭で実物を見てみたりするのも良いでしょう。色々な器具を比較することで、きっと理想の器具が見つかるはずです。

設置時の注意点

水がかかりにくいように作られた照明器具を取り付ける際は、安全のためにも必ず資格を持った電気工事の専門家にお願いしましょう。電気の配線は専門的な知識と技術が欠かせません。間違った配線をすると、感電したり火災を引き起こしたりする恐れがあります。また、器具を取り付ける場所によっては、落下して怪我をする危険性も考えなければなりません。

設置工事をお願いする際には、器具を固定する方法や配線の安全性をしっかり確認してもらいましょう。例えば、器具を固定するネジがしっかりと締められているか、配線が壁の中にきちんと収められているか、配線に無理な力がかかっていないかなどを確認することが重要です。また、器具が設置される場所の環境も考慮する必要があります。屋外に設置する場合には、雨や風に耐えられるように設計された器具を選ぶ必要があります。浴室や洗面所など、湿気の多い場所に設置する場合には、防湿型の器具を選ぶ必要があります。

設置工事が完了した後も、定期的に器具の状態をチェックし、劣化や破損がないかを確認することが大切です。例えば、器具の表面にひび割れがないか、配線が劣化していないか、器具がぐらついていないかなどを確認しましょう。また、器具の明るさが落ちてきたと感じたら、電球を交換する必要があるかもしれません。器具の種類によっては、専門業者による点検が必要な場合もあります。

安全に長く使い続けるためにも、日頃からこまめな点検を行い、必要に応じて修理や交換などの手入れを行いましょう。また、器具の寿命は種類や使用環境によって異なりますが、一般的には数年から十数年程度です。寿命が近づいてきたら、新しい器具への交換を検討しましょう。古くなった器具を使い続けると、故障や事故の原因となる可能性があります。安全のためにも、器具の寿命を把握し、適切な時期に交換することが重要です。

お手入れの方法

屋外で使う防滴型の照明器具は、雨風や塵埃にさらされるため、どうしても汚れが溜まりやすくなります。こまめな掃除で器具の性能を保ち、長く使い続けられるようにしましょう。定期的なお手入れは、照明の明るさを保つだけでなく、器具の寿命を延ばすことにも繋がります。

まず、掃除を始める前に、必ず電源を切り、感電の危険がないように注意しましょう。照明器具の電源スイッチを切り、念のためコンセントも抜いておくと安心です。

柔らかい布を使って、器具表面に付着した埃や汚れを丁寧に拭き取ります。乾いた布で拭き取れない汚れは、水で濡らし固く絞った布を使いましょう。洗剤を使う場合は、中性洗剤を薄めて使用し、洗剤が残らないようにしっかりと水拭きした後、乾拭きで仕上げます。 研磨剤入りの洗剤や硬いブラシ、たわしなどは、器具表面に傷をつける可能性があるので使用を控えましょう。

水洗いできる器具の場合は、流水で汚れを洗い流すことができます。ただし、水圧が強すぎると器具内部に水が浸入し、故障の原因となる場合があるので注意が必要です。ホースではなく、ジョウロなどを使って優しく洗い流しましょう。水洗い後は、十分に乾燥させてから電源を入れるようにしましょう。

器具によっては、分解して掃除できるものもあります。分解する際は、取扱説明書をよく読んで、正しい手順で行いましょう。無理に分解しようとすると、器具を破損する恐れがあります。 分解後は、元通りに組み立てられるかを確認してから電源を入れましょう。

掃除に不安がある場合や、高所にある器具の掃除は、無理せず専門業者に依頼しましょう。安全に、そして確実に掃除してもらうことができます。

こまめなお手入れで、快適な照明環境を長く保ちましょう。

省エネ性能

近ごろ、電気の節約に役立つ照明として、発光ダイオードを使った照明器具をよく見かけるようになりました。この照明は、雨などの水滴から守られた場所でも使えるように作られた器具にも使われており、電気代の節約に大きく貢献しています。

これまでの豆電球や蛍光灯と比べて、発光ダイオードを使った照明器具は使う電気が少なく、寿命も長いのが特徴です。そのため、使い続けるためのお金も抑えられます。また、発光ダイオードを使った照明器具は熱の発生が少ないため、器具自体の劣化も抑えられます。

地球環境にも家計にも優しい発光ダイオードを使った照明器具は、水がかかっても大丈夫な器具を選ぶ際にも、大切な選択肢の一つです。はじめに買うときはお値段が高くなることもありますが、長い目で見ると、お金の面でメリットが大きいため、一度検討してみる価値があります。

具体的には、発光ダイオードを使った照明器具は、豆電球と比べて消費電力が約8分の1、蛍光灯と比べても約2分の1に抑えられます。寿命も豆電球の約40倍、蛍光灯の約4～8倍と長く、交換の手間も省けます。さらに、発光ダイオードを使った照明器具は紫外線や赤外線の放出が少ないため、虫が集まりにくく、照らされる物の劣化も防ぎます。

水がかかっても大丈夫な場所に設置する照明器具を選ぶ際には、発光ダイオードを使った照明器具であるかどうかを、確認することをお勧めします。製品によっては、明るさや色の種類も豊富なので、設置場所の雰囲気や用途に合わせて最適なものを選ぶことができます。初期費用は多少高いかもしれませんが、長い目で見れば電気代の節約効果が大きく、環境にも配慮した選択と言えるでしょう。