家の顔、引手の選び方

家の顔、引手の選び方

リフォームの初心者

先生、「引手」って、どんなもののことですか?リフォームのカタログによく書いてあるのですが、よく分からなくて。

リフォーム専門家

そうですね。「引手」とは、引き戸やふすま、障子などを、開け閉めするときに手を掛ける部分のことを言います。色々な種類があって、材質も木や金属など様々ですよ。

リフォームの初心者

材質以外にも違いがあるんですか?

リフォーム専門家

はい。形も様々で、扉に掘り込んであるものや、出っ張っているものもあります。扉のデザインに合わせて色々な「引手」がありますから、リフォームの際は、カタログをよく見てみましょう。

引手とは。

家の改修工事でよく聞く『引手』(ひきて)について説明します。引手とは、引き戸のような、横に開け閉めする扉をつかむ部分のことです。木の引手や金属の引手、扉に彫り込まれた引手、扉から出ている引手など、色々な種類があります。

握り心地と見た目

握り心地と見た目

住まいの印象を大きく左右する要素の一つに、扉や引き出しを開け閉めする際に使う「引手」があります。毎日何度も触れる部分だからこそ、握り心地の良さは、暮らしの快適さに直結します。手に優しく馴染む形状や、心地良い感触の素材を選ぶことで、開閉のたびに小さな喜びを感じることができるでしょう。

引手を選ぶ際には、握り心地だけでなく、見た目にも気を配ることが大切です。部屋全体の雰囲気や、家具との調和を考慮し、空間に合ったデザインを選びましょう。例えば、すっきりとした直線的なデザインの引手は、現代的な空間に調和し、曲線的で装飾的な引手は、優美で伝統的な雰囲気を醸し出します。シンプルなものから、細やかな装飾が施されたものまで、実に様々な種類がありますので、じっくりと時間をかけて選び抜くことが大切です。

引手の素材もまた、住まいの印象を左右する重要な要素です。木材、金属、陶磁器など、様々な素材があり、それぞれ異なる質感や風合いを楽しめます。例えば、木の温もりを感じられる木製引手は、和風の空間にしっくりと馴染み、落ち着いた雰囲気を演出します。一方、金属製の引手は、洗練された光沢と重厚感で、現代的な空間によく合います。また、陶磁器製の引手は、独特の風合いと色彩で、空間に彩りを添えてくれます。

このように、素材とデザインを組み合わせることで、住まいに個性と彩りを加えることができます。機能性とデザイン性を兼ね備えた、こだわりの引手を選ぶことで、日々の暮らしがより豊かで心地良いものになるでしょう。じっくりと吟味し、あなたにとって最適な引手を見つけてください。

要素 種類 特徴 適合する空間
形状 直線的 すっきりとした印象 現代的な空間
曲線的 優美で伝統的な雰囲気 伝統的な空間
装飾的 空間に彩りを添える 様々
素材 木製 木の温もり、落ち着いた雰囲気 和風の空間
金属製 洗練された光沢と重厚感 現代的な空間
陶磁器製 独特の風合いと色彩 様々

様々な形状

様々な形状

扉や引き出しを開閉する際に欠かせない引手には、実に様々な形があります。大きく分けると、握る、つまむ、指をかける、この三つの種類に分類できます。

まず、握るタイプの引手は、取っ手のように手で握って操作します。しっかりとした握り心地で、開閉動作が楽に行えるのが大きな特徴です。握る力が弱い方、例えば小さなお子さんやお年寄りのいるご家庭では、特に使い勝手の良さを実感できるでしょう。また、重い扉や引き出しにも適しています。

次に、つまむタイプの引手は、つまみのような形状で、指先でつまんで操作します。握るタイプに比べて小さいので、扉や引き出し周りの空間を広く見せる効果があります。また、その小ささとシンプルな形状から、現代風で無駄を省いた印象を与え、洗練された雰囲気の空間作りに役立ちます。

最後に、指をかけるタイプの引手は、掘り込み式とも呼ばれ、扉や引き出しの表面に窪みを設け、そこに指をかけて開閉する仕組みです。このタイプの引手は、扉や引き出しと一体化しているため、出っ張りがなく、すっきりとした見た目になります。無駄な装飾を避け、簡素なデザインを好む方に最適です。また、小さなお子さんがいるご家庭では、引手にぶつかる心配がないので安全面でも優れています。

このように、引手の形状は様々で、それぞれに特徴があります。使い勝手やデザインの好み、そして設置場所の状況などを考慮して、最適なものを選びましょう。実際に手に取って、大きさや握り心地、使いやすさを確認することをお勧めします。

種類 特徴 メリット デメリット 向き・不向き
握る 取っ手のように握って操作 握り心地が良い、開閉が楽、重い扉や引き出しに適している 空間が狭く見える場合がある 握力が弱い方、お子さんやお年寄りのいる家庭、重い扉/引き出し
つまむ つまみのような形状で指先でつまむ 空間を広く見せる、現代風、洗練された雰囲気 握る力が必要 現代的なデザインを好む方
指をかける(掘り込み式) 扉/引き出しに窪みを設け、指をかけて開閉 出っ張りがなくすっきりとした見た目、安全 開閉に少し力が必要な場合も 簡素なデザインを好む方、小さなお子さんのいる家庭

設置場所ごとの選定

設置場所ごとの選定

住まいの模様替えを検討する際、意外と見落としがちなのが引手です。しかし、扉や引き出しの顔とも言える引手は、空間の印象を大きく左右する重要な要素です。さらに、設置場所ごとに求められる機能も異なりますので、それぞれに適した引手を選ぶことが大切です。

まず、玄関は家の顔となる部分であり、来客の目に触れる最初の場所です。そのため、玄関の引手は、住まいの第一印象を決める重要な役割を担っています。デザイン性はもちろんのこと、防犯性を考慮することも忘れてはいけません。頑丈な素材を選び、不審な侵入を防ぐ対策を取り入れましょう。また、家の雰囲気に合った素材や色を選ぶことで、より洗練された印象を与えることができます。

次に、水回り、特に台所や洗面所などは、湿気が多く水を使う機会も多い場所です。そのため、水に強く、錆びにくい素材の引手を選ぶことが不可欠です。例えば、ステンレスや樹脂製の引手は、水に強く耐久性にも優れています。また、濡れた手で触っても滑りにくい形状のものを選ぶと、安全性も高まります。さらに、清掃のしやすさも考慮すると、表面が滑らかで汚れが付きにくいものがおすすめです。

子供部屋では、何よりも安全性を重視しましょう。小さなお子様は、思わぬ行動をとることがあります。そのため、角が丸く、突起が少ないデザインの引手を選ぶことで、怪我のリスクを減らすことができます。また、お子様が成長しても長く使えるよう、シンプルながらも飽きのこないデザインを選ぶと良いでしょう。さらに、お子様自身がお部屋の模様替えに興味を持つようであれば、一緒に引手を選ぶのも楽しい時間となります。

このように、設置場所の環境や用途、そしてそこに住まう人々のことを考えて、最適な引手を選ぶことで、より快適で安全な住まいを実現することができます。小さな部品ですが、引手選びにこだわることで、住まいの質をぐっと高めることができるでしょう。

設置場所 重視するポイント 素材の例 形状の例
玄関 デザイン性、防犯性 頑丈な素材
水回り(台所、洗面所など) 耐水性、防錆性、安全性、清掃性 ステンレス、樹脂 滑りにくい形状、表面が滑らか
子供部屋 安全性 角が丸く、突起が少ない

交換とメンテナンス

交換とメンテナンス

家の印象を左右する小さな部品、それが引手です。古びて傷んだ引手を新しいものに取り替えるだけで、空間は見違えるように生き生きと蘇ります。長年の使用で色あせたり、表面に細かい傷が目立ってきたり、あるいは汚れが落ちにくくなってきたと感じたら、交換の時期かもしれません。

交換作業をスムーズに進めるためには、まず既存の引手のサイズを正確に測りましょう。長さと幅はもちろん、厚みや取り付け穴の位置も重要です。同じサイズのものが見つかれば、簡単に交換できます。もし同じサイズのものが見つからない場合は、少し工夫が必要になります。取り付け穴の位置が合わない場合は、新しい穴を開ける必要があるかもしれません。あるいは、既存の穴を埋めてから新しい穴を開ける方法もあります。

新しい引手を選ぶ際には、家の雰囲気との調和も考えてみましょう。和風な家には木製や陶器製の落ち着いたデザインの引手が、洋風な家には金属製のスタイリッシュなデザインの引手が似合います。また、使い勝手も重要な要素です。握りやすさや滑りにくさなども考慮して選びましょう。

引手を長く美しく保つためには、日頃のお手入れが大切です。埃や汚れは、柔らかい布でこまめに拭き取りましょう。頑固な汚れには、薄めた中性洗剤を布に含ませて優しく拭き取り、その後、水拭きしてから乾拭きします。研磨剤入りの洗剤や硬いブラシ、たわしなどは、引手の表面を傷つける恐れがあるので避けましょう。金属製の引手は、湿気が残っていると錆びの原因になりますので、特に乾拭きを丁寧に行いましょう。素材によっては、専用のクリーナーや保護剤が販売されている場合もあります。そういったものを使うと、より効果的に引手の美しさを保つことができます。

少しの手間をかけるだけで、家はより快適で美しくなります。小さな部品にも気を配り、心地よい空間を保ちましょう。

項目 内容
引手の役割 家の印象を左右する重要な部品
交換時期 色あせ、傷、汚れが目立つようになった時
交換手順 1. 既存の引手のサイズを測る (長さ、幅、厚み、取り付け穴の位置)
2. 同じサイズの引手を探す
3. サイズが異なる場合は、取り付け穴の調整が必要 (穴あけ、穴埋め)
引手の選び方 1. 家の雰囲気との調和 (和風:木製・陶器製、洋風:金属製)
2. 使い勝手 (握りやすさ、滑りにくさ)
お手入れ方法 1. 普段は柔らかい布で埃や汚れを拭き取る
2. 頑固な汚れは薄めた中性洗剤で拭き、水拭き、乾拭き
3. 研磨剤入り洗剤、硬いブラシ、たわしは使用しない
4. 金属製は錆び防止のため乾拭きを丁寧に行う
5. 素材に合った専用のクリーナーや保護剤の使用

こだわりの空間演出

こだわりの空間演出

住まいの印象を決める要素は様々ですが、細部に宿るこだわりが、空間全体の雰囲気を大きく左右します。中でも、扉や引き出しに取り付ける「引手」は、小さなパーツながらも、空間演出において重要な役割を担っています。素材、形、模様など、引手の選び方次第で、全く異なる雰囲気を醸し出すことができます。

例えば、古びた風合いの金属や、木材を使った引手を選べば、懐かしさ漂う落ち着いた雰囲気を作り出すことができます。重厚感のある真鍮の引手や、温かみのある木製のものなど、素材によって異なる表情を見せるため、住まいの雰囲気に合わせた素材選びが大切です。また、滑らかな曲線を描いたものや、直線的な幾何学模様を取り入れた引手など、形のバリエーションも豊富です。シンプルなデザインのものなら、すっきりとした印象を与え、装飾性の高いものなら、空間に華やかさを添えることができます。

さらに、引手の色にも注目してみましょう。壁の色や家具の色と調和するものを選べば、統一感のある落ち着いた空間を演出できます。一方で、あえて contrasting な色を選ぶことで、空間にアクセントを加え、メリハリをつけることも可能です。例えば、白い壁に黒の引手を取り付ければ、空間が引き締まり、モダンな印象になります。

複数の種類の引手を組み合わせるのも、空間に変化をつける効果的な方法です。同じ部屋の中で、素材や形、色の異なる引手を使い分けることで、空間にリズムが生まれ、奥行きのある表情豊かな空間を演出できます。キッチンカウンターには陶器のつまみ、食器棚には木製の取っ手など、場所に合わせて使い分けるのもおすすめです。

引手選びは、住まいづくりを楽しむためのかけがえのない機会です。じっくりと時間をかけて、様々な種類の引手を見て、触れて、理想の引手を見つけてください。あなただけのこだわりが詰まった、特別な空間を創り上げていきましょう。

要素 効果 具体例
素材 雰囲気を決定づける 古びた金属:懐かしさ、落ち着いた雰囲気
木材:温かみ
真鍮:重厚感
印象を変える 曲線:滑らかな印象
幾何学模様:モダンな印象
シンプルなデザイン:すっきりとした印象
装飾性の高いもの:華やかさ
統一感、アクセント 調和する色:落ち着いた空間
対照的な色:メリハリ、モダンな印象 (例: 白い壁に黒の引手)
組み合わせ 変化、奥行き 異なる素材、形、色の組み合わせ:リズム、豊かな表情
場所に応じた使い分け (例: キッチンカウンターに陶器、食器棚に木製)