床の間の顔、床柱:種類と選び方

床の間の顔、床柱:種類と選び方

リフォームの初心者

床柱って、どんな柱のことですか?

リフォーム専門家

床柱とは、床の間に立てる化粧柱のことだよ。ひのきやまつなどのまっすぐな木目が通った、角を削った柱が正式なものとされているんだ。

リフォームの初心者

ひのきやまつ以外では使われないのですか?

リフォーム専門家

いいや、必ずしもそうとは限らないよ。柱の四隅に木の皮を残した柱や丸い柱、紫檀や黒檀などの唐木、皮付きの自然木なども使われることがあるんだよ。

床柱とは。

家の改修に使う言葉で「床柱」というものがあります。床柱とは、床の間の横に立てる飾り柱のことです。正式には、ひのきやまつなどのまっすぐな木目の角柱で、角を面取りしたものを使います。しかし、柱の四隅に木の皮を残した面皮柱や丸い柱、紫檀やくろだんのような外国の木、皮のついた自然の木なども使われることがあります。

床柱とは

床柱とは

床の間は、日本の家屋において最も格式が高い場所であり、客をもてなしたり、掛け軸や花を生けたりする特別な空間です。その床の間で、中心的な役割を担うのが床柱です。床の間の脇に位置するこの化粧柱は、床の間の格式を高めるだけでなく、部屋全体の雰囲気を左右する重要な要素となっています。

床柱は、床の間の「顔」とも呼ばれ、その存在感は格別です。床柱があることで、床の間に奥行きと落ち着きが生まれ、日本の伝統的な美意識が表現されます。床柱は、ただ柱としてそこに立っているだけでなく、空間全体に品格と風格を与え、見る人の心を和ませる力を持っています。まるで、凛とした立ち姿で客人を迎え入れるかのように、静かにそこに佇んでいるのです。

床柱には様々な種類の木材が用いられ、それぞれに独特の風合いと特徴があります。例えば、磨き丸太は、木の皮を剥ぎ、表面を滑らかに磨き上げたもので、自然の力強さと美しさをそのまま感じることができます。また、絞り丸太は、磨き丸太をさらに洗練させたもので、職人の手によって丁寧に削り出された美しい曲線が特徴です。その他にも、角柱面皮柱など、様々な形状と加工方法があり、それぞれが異なる表情を見せてくれます。

床柱を選ぶ際には、床の間の大きさや全体の雰囲気、そして自分の好みを考慮することが大切です。床柱の種類によって、床の間の印象は大きく変わります。力強い印象を与えたいのか、それとも落ち着いた雰囲気にしたいのか、どのような空間を演出したいのかをイメージしながら、じっくりと選びましょう。床柱は、日本の伝統と美意識を象徴する大切な要素であり、その選び方一つで、住まい全体の格調を高めることができるのです。

項目 説明
床の間 日本の家屋で最も格式が高い場所。客をもてなし、掛け軸や花を生ける。
床柱 床の間の中心的役割。床の間の脇に位置する化粧柱。床の間の格式を高め、部屋全体の雰囲気を左右する。
床柱の役割 床の間に奥行きと落ち着きを生み、日本の伝統的な美意識を表現。空間全体に品格と風格を与え、見る人の心を和ませる。
床柱の種類 磨き丸太、絞り丸太、角柱、面皮柱など。それぞれ独特の風合いと特徴、形状と加工方法を持つ。
磨き丸太 木の皮を剥ぎ、表面を滑らかに磨き上げたもの。自然の力強さと美しさを感じることができる。
絞り丸太 磨き丸太をさらに洗練させたもの。職人の手によって丁寧に削り出された美しい曲線が特徴。
床柱の選び方 床の間の大きさや全体の雰囲気、自分の好みを考慮する。床柱の種類によって床の間の印象は大きく変わる。

床柱の種類

床柱の種類

床の間の顔とも言える床柱。部屋の雰囲気を決める大切な要素であり、様々な種類が存在します。大きく分けて、木材の種類、形状、仕上げ方法によって様々な表情を見せます。

まず、木材の種類を見てみましょう。最も一般的なのは檜です。檜は、上品な香り芳香ほうこうと美しい木目、そして耐久性耐朽性たいきゅうせいにも優れ、高級な床柱として古くから愛されてきました。特に柾目まさめまさめと呼ばれる、木目がまっすぐに通った檜の床柱は、その美しさから高い人気を誇ります。檜の他に、赤松や黒松などの松材も床柱としてよく使われます。松は力強い木目が特徴で、風格のある床の間を演出します。また、紫檀したんしたんや黒檀こくたんこくたんといった唐木は、重厚感と高級感を演出し、格式高い空間を作り上げます。

次に形状です。角柱、面皮柱、円柱など、様々な形状があります。角柱は、四隅が角張った一般的な形状で、すっきりとした印象を与えます。面皮柱は、柱の四隅に樹皮を残したもので、自然の風合いを感じることができます。近年、自然志向の高まりから、人気が高まっている形状です。円柱は、角のない丸みを帯びた形状で、柔らかな印象を与えます。

最後に仕上げ方法ですが、磨かれた滑らかな仕上げのものから、自然な風合いを残した仕上げのものまで様々です。木材本来の質感を楽しみたい場合は、皮付きの自然木を選ぶのも良いでしょう。樹皮の模様が、床の間に個性的なアクセントを加えてくれます。

このように、床柱は素材、形状、仕上げによって様々な表情を見せるため、部屋の雰囲気や好みに合わせて選ぶことができます。床の間は、日本の住宅における大切な空間です。床柱選びを通して、自分らしい空間を演出してみてはいかがでしょうか。

項目 種類 特徴
木材の種類 上品な芳香と美しい木目、耐久性にも優れる。柾目は特に人気。
赤松、黒松 力強い木目が特徴で、風格のある床の間を演出。
紫檀 重厚感と高級感を演出し、格式高い空間を作り上げる。
黒檀 重厚感と高級感を演出し、格式高い空間を作り上げる。
形状 角柱 四隅が角張った一般的な形状。すっきりとした印象。
面皮柱 柱の四隅に樹皮を残したもので、自然の風合いを感じることができる。近年人気。
円柱 角のない丸みを帯びた形状。柔らかな印象。
仕上げ方法 様々 磨かれた滑らかな仕上げのものから、自然な風合いを残した仕上げのものまで様々。皮付きの自然木も個性的なアクセントに。

床柱の選び方

床柱の選び方

床の間の主役とも言える床柱選びは、家の印象を大きく左右する大切な作業です。部屋全体の雰囲気との調和を考えることが、成功への第一歩です。まず、床の間の広さを確認しましょう。広々とした床の間には、太くどっしりとした存在感のある床柱が、空間の風格を高めます。反対に、こじんまりとした床の間には、細身の床柱を選ぶことで、圧迫感を抑え、空間を広く見せる効果が期待できます。

次に、床の間の壁の色や床板とのバランスを考慮しましょう。落ち着いた雰囲気の和風の床の間には、檜や松といった伝統的な木材がおすすめです。これらの木材は、日本の風土に根ざした穏やかな雰囲気を持ち、長く親しまれてきた安心感があります。一方、現代的なデザインの床の間には、黒檀や紫檀などの唐木や、皮付きのままの自然木など、個性的な床柱を取り入れるのも良いでしょう。木材の種類によって、空間に独特のアクセントを加えることができます。

さらに、家全体の雰囲気との調和も大切です。数寄屋造りの家には、洗練された雰囲気の床柱が、古民家風の家には、重厚感のある床柱がふさわしいでしょう。家の様式に合わせて床柱を選ぶことで、統一感のある空間を演出できます。床柱は、一度設置すると容易に取り換えることができません。時間をかけてじっくりと選び、後悔のないようにしましょう。サンプルを実際に見て触れて、納得のいくまで吟味することをお勧めします。理想の床の間を実現するために、床柱選びは重要な要素です。

床の間の広さ 床の間の雰囲気 家の雰囲気 床柱の選び方
広々とした床の間 落ち着いた和風の床の間 数寄屋造りの家 太くどっしりとした存在感のある床柱
こじんまりとした床の間 現代的なデザインの床の間 古民家風の家 細身の床柱
檜、松などの伝統的な木材
黒檀、紫檀などの唐木、皮付きの自然木
洗練された雰囲気の床柱
重厚感のある床柱

床柱の手入れ

床柱の手入れ

床の間の顔とも言える床柱は、定期的なお手入れによってその美しさを長く保つことができます。普段のお手入れは、乾いた柔らかい布で優しく拭き取るだけで十分です。ただし、人の手が触れやすい部分は皮脂汚れなどが付着しやすいため、特に念入りにお手入れをしましょう。

目立つ汚れを見つけた場合は、水で濡らし固く絞った布で丁寧に拭き取ってください。この時、ゴシゴシとこすってしまうと傷の原因となるため、優しく丁寧に拭き取ることが大切です。汚れが落ちにくい場合は、中性洗剤を薄めた液を使用することもできますが、洗剤が残らないよう、水拭きでしっかりと洗い流してください。その後は、乾いた布で水分を完全に拭き取り、乾燥を防ぎましょう。

年に一度は、より念入りなお手入れを行いましょう。木材専用の磨き剤を使用することで、表面の保護膜を作り、汚れや傷から床柱を守ることができます。磨き剤を使用する際は、柔らかい布に少量を取り、木目に沿って優しく塗り込んでいきます。磨きすぎると、かえって表面を傷つけてしまうため、力加減に注意しましょう。また、蜜蝋などを原料とした天然素材のワックスを塗るのもおすすめです。天然素材のワックスは、木材本来の風合いを保ちながら、美しい艶を出す効果があります。

床柱は、直射日光に長時間さらされると、変色やひび割れの原因となります。また、乾燥も木材の大敵です。特に冬場は、加湿器などを用いて室内の湿度を適切に保つように心がけましょう。床柱に直接日光が当たらないように、カーテンや障子で遮光するのも効果的です。

適切なお手入れを続けることで、床柱の美しさを長く保ち、風格ある和室の雰囲気を維持することができます。普段から少しの手間をかけることで、大切な床柱を末永く楽しむことができるでしょう。

お手入れ頻度 お手入れ方法 注意点
普段 乾いた柔らかい布で優しく拭き取る 人の手が触れやすい部分は皮脂汚れが付着しやすいため念入りに
汚れが目立つ時 1. 水で濡らし固く絞った布で丁寧に拭き取る
2. 汚れが落ちにくい場合は、中性洗剤を薄めた液を使用し、その後水拭き
ゴシゴシとこすらない
洗剤が残らないようにしっかりと洗い流す
乾燥を防ぐ
年1回 1. 木材専用の磨き剤を使用する
2. 天然素材のワックスを塗る
磨きすぎない
木目に沿って優しく塗り込む
日常 直射日光を避ける
乾燥を防ぐ
カーテンや障子で遮光する
加湿器などで湿度を適切に保つ

まとめ

まとめ

床柱は、床の間の中心に位置し、その空間の雰囲気を決定づける大切な要素です。いわば床の間の顔であり、家の格式を表す重要な役割も担っています。床柱を選ぶ際には、材質、形状、大きさなど様々な要素を考慮する必要があります

まず、材質についてですが、床柱には様々な種類の木材が用いられます。例えば、檜は、その美しい木目と芳香で高級感を演出する定番の材質です。一方、杉は、檜に比べて柔らかく温かみのある雰囲気を醸し出します。その他にも、黒檀や紫檀などの銘木は、重厚で格調高い空間を創り出します。それぞれの木材の特徴を理解し、家の全体の雰囲気や好みに合わせて選ぶことが大切です。

次に形状ですが、角柱、丸柱、面皮柱など様々な形があります。角柱は、直線的なフォルムでスッキリとした印象を与えます。丸柱は、柔らかな曲線で優美な雰囲気を演出します。面皮柱は、自然な樹皮の風合いを生かしたもので、素朴で味わい深い空間を創り出します。床の間の広さや他の装飾とのバランスも考慮しながら、最適な形状を選びましょう。

大きさも重要な要素です。床の間の広さに合わせて、適切な太さと長さの床柱を選ぶ必要があります。大きすぎると圧迫感を与え、小さすぎると物足りなさを感じてしまいます。

床柱は、ただ設置すれば良いというものではありません。定期的な手入れをすることで、その美しさを長く保つことができます。乾拭きで埃を取り除いたり、専用のオイルで磨いたりすることで、木材の風合いを保ち、劣化を防ぐことができます。

床柱選びに迷った場合は、専門の職人や設計士に相談することをお勧めします。豊富な知識と経験を持つ専門家は、家の雰囲気や好みに合った最適な床柱選びをサポートしてくれます。床柱は、日本の伝統的な住まいにおける重要な要素です。こだわりの床柱を選ぶことで、格調高く、そして心安らぐ空間を演出しましょう。

項目 詳細
材質
  • 檜:美しい木目と芳香で高級感を演出
  • 杉:柔らかく温かみのある雰囲気
  • 黒檀、紫檀:重厚で格調高い空間
形状
  • 角柱:直線的なフォルム
  • 丸柱:柔らかな曲線
  • 面皮柱:自然な樹皮の風合い
大きさ 床の間の広さに合わせた太さと長さ
手入れ 乾拭き、専用オイルでの磨き
相談 専門の職人や設計士

リフォームで床の間を一新

リフォームで床の間を一新

床の間は、日本の家屋において特別な場所であり、その家の雰囲気を大きく左右します。床の間をリフォームすることで、家の印象をガラリと変えることができるのです。古くなった床の間を新しくすることで、家に新たな息吹を吹き込むことができます。

床の間リフォームの重要なポイントは、床柱の交換です。床柱は床の間の顔とも言える部分であり、その素材やデザインによって床の間全体の印象が決まります。長年使い込まれて傷んだ床柱を新しいものに取り替えるだけで、床の間全体が明るく、美しく蘇ります。木材の種類を変えることで、部屋の雰囲気に合わせた床の間を作ることができます。例えば、濃い色の木材を使えば落ち着いた雰囲気に、明るい色の木材を使えば華やかな雰囲気になります。また、床柱の形を変えることも可能です。角柱、丸柱、面取り柱など、様々な形があるので、自分の好みに合わせて選ぶことができます。

床の間の壁にも注目してみましょう。壁の色や素材を変えることで、床の間の印象は大きく変わります。例えば、和紙を貼った壁は、柔らかな光を取り込み、落ち着いた雰囲気を演出します。また、塗り壁は、重厚感があり、格式高い雰囲気を醸し出します。最近では、珪藻土などの自然素材を使った壁も人気です。

床板の張替えも効果的です。畳や板の目を変えるだけでも、床の間の見栄えは格段に向上します。また、傷んだ床板を新しいものに取り替えることで、清潔感も生まれます。

リフォーム会社は、様々な提案をしてくれます。予算や希望に合わせて、最適なプランを考えてくれるので、気軽に相談してみましょう。床の間のリフォームは、日本の伝統的な文化に触れる良い機会でもあります。床柱や壁、床板など、様々な部分にこだわり、自分らしい、そして家族みんなが心地よいと思える空間を作り上げていきましょう。

リフォーム箇所 ポイント 効果 種類・素材
床柱 床の間の顔。素材やデザインで印象が変わる 床の間全体が明るく美しく蘇る。部屋の雰囲気を変える 木材の種類(濃い色、明るい色)、形(角柱、丸柱、面取り柱)
色や素材を変える 床の間の印象を変える 和紙、塗り壁、珪藻土
床板 畳や板の目を変える、張替え 見栄え向上、清潔感 畳、板