おしゃれなイギリス張りで壁を彩ろう

おしゃれなイギリス張りで壁を彩ろう

リフォームの初心者

先生、「イギリス張り」ってよく聞くんですけど、どういう意味ですか?

リフォーム専門家

いい質問だね。「イギリス張り」は、タイルの張り方の一種で、小口タイルと二丁掛けタイルを一段ずつ交互に張っていく方法だよ。

リフォームの初心者

小口タイルと二丁掛けタイル…それってどんなタイルですか?

リフォーム専門家

小口タイルは、タイルの短い辺を見せるように張る方法。二丁掛けタイルは、普通のタイルを二個分横に並べた大きさのタイル、もしくは普通のタイル二個を横に並べて張る方法のことだよ。つまり、短いタイルと長いタイルを交互に張ることで、独特な模様を作るのがイギリス張りなんだ。

イギリス張りとは。

住宅の改修工事でよく使われる『イギリス張り』という用語について説明します。イギリス張りとは、タイルの短い辺を見せた『小口タイル』と、タイルを横に二つ並べた『二丁掛けタイル』を、一段ずつ交互に並べて張る方法のことです。

イギリス張りの概要

イギリス張りの概要

イギリス張りは、壁にタイルを貼る独特な方法で、見た目の美しさと整然とした模様が特徴です。小口タイルと二丁掛けタイルという二種類のタイルを一段ずつ交互に配置することで、この模様を作り出します。小口タイルはタイルの短い辺を表面に見せて貼るため、正方形に近い形に見えます。一方、二丁掛けタイルはタイルの長い辺を表面に見せて、二枚分の幅で貼ります。この二種類のタイルが交互に並ぶことで、まるで規則正しいリズムを刻むかのような、美しい模様が生まれます。

名称に「イギリス」とついているため、イギリス発祥と思われがちですが、実は日本で生まれたタイルの貼り方です。その歴史は、レンガを積み上げる技法であるイギリス積みに由来するとされています。イギリス積みは、レンガを縦長、横長と交互に配置する積み方で、強度と見た目の美しさを兼ね備えています。このイギリス積みから着想を得て、タイル張りにも同様の技法が取り入れられ、イギリス張りと呼ばれるようになりました。

イギリス張りは、その整然とした美しさから、住宅だけでなく、様々な場所で採用されています。店舗の内装や公共施設の外壁など、幅広い場所で目にすることができます。また、素材も様々で、陶器や磁器、石材など、様々な種類のタイルでイギリス張りが可能です。素材によって異なる風合いを楽しめるのも、イギリス張りの魅力の一つです。イギリス張りは、見た目だけでなく、施工性や耐久性にも優れています。タイルを交互に配置することで、壁面の強度を高める効果も期待できます。そのため、長く美しく建物を維持したいという場合にも、おすすめのタイルの貼り方と言えるでしょう。

項目 説明
名称 イギリス張り
特徴 小口タイルと二丁掛けタイルを一段ずつ交互に配置するタイルの貼り方。見た目と模様が整然としている。
小口タイル タイルの短い辺を表面に見せて貼る。正方形に近い形に見える。
二丁掛けタイル タイルの長い辺を表面に見せて貼る。二枚分の幅で貼る。
発祥 日本
由来 レンガを縦長、横長と交互に配置するイギリス積みから着想を得ている。
用途 住宅、店舗の内装、公共施設の外壁など
素材 陶器、磁器、石材など
メリット 整然とした美しさ、施工性、耐久性、壁面の強度向上

他のタイル張りとの比較

他のタイル張りとの比較

壁や床をタイルで飾る方法は、イギリス張り以外にも実に様々です。それぞれに個性があり、空間に異なる雰囲気を添えます。

まず、「走り張り」は、タイルを長手方向にまっすぐに並べていくシンプルな張り方です。タイル一枚一枚が強調され、すっきりとした印象を与えます。特に、細長いタイルを用いると、空間が広く見える効果も期待できます。

次に、「市松張り」は、正方形のタイルを互い違いに並べる、まるで碁盤の目のような伝統的な張り方です。規則正しい模様が、落ち着いた和の雰囲気を醸し出し、どこか懐かしさを感じさせます。

これらの張り方と比べて、イギリス張りは、小口タイルと二丁掛けタイルを組み合わせた独特のリズム感が最大の特徴です。小口タイルとは、タイルを半分に割った短辺を表面に見せたもので、二丁掛けタイルとは、通常サイズの二倍の長さを持つタイルです。これらの組み合わせにより、壁面が単調にならず、空間に奥行きと表情が生まれます。

さらに、イギリス張りは、タイルの種類や色によって、様々なスタイルを演出できるという利点も持っています。例えば、光沢のあるタイルを使えば、都会的で洗練されたモダンな雰囲気に、落ち着いた色合いの陶器タイルを使えば、温かみのあるクラシックな雰囲気にと、住む人の好みに合わせて自由に空間をデザインできます。また、目地幅やタイルのサイズを調整することで、デザインの可能性はさらに広がります。より個性的な空間を演出したい場合は、目地の色を変えてみるのも一つの方法です。

このように、タイルの張り方一つで、空間の印象は大きく変わります。それぞれの張り方の特徴を理解し、自分の理想の空間に合った張り方を選ぶことが大切です。

張り方 タイル 特徴 雰囲気
走り張り 細長いタイル タイル一枚一枚が強調され、すっきりとした印象。空間が広く見える効果も。 すっきり
市松張り 正方形タイル 碁盤の目のような伝統的な張り方。規則正しい模様。 落ち着いた和の雰囲気、懐かしさ
イギリス張り 小口タイルと二丁掛けタイル 独特のリズム感、空間に奥行きと表情。タイルの種類や色で様々なスタイルを演出可能。目地幅やタイルサイズ、目地の色でデザイン調整可能。 モダン、クラシックなど多様

イギリス張りのメリット

イギリス張りのメリット

イギリス張りとは、小口タイルと二丁掛けタイルを交互に組み合わせる独特のタイルの張り方のことです。この伝統的な工法は、見た目の美しさだけでなく、機能面でも多くの利点を持っています。まず、小口タイルと二丁掛けタイルを交互に張ることで、タイル同士の結びつきが非常に強固になります。これは、壁全体の強度を高めることに繋がり、建物の耐久性を向上させる効果があります。

次に、イギリス張りでは目地が規則正しく並ぶため、水や汚れが壁の内部に浸透しにくくなります。これは、建物の劣化を防ぎ、メンテナンスの手間や費用を大幅に削減することに繋がります。雨風の影響を受けやすい外壁や、水を使う機会の多い浴室、キッチンなどに最適な張り方と言えるでしょう。

さらに、イギリス張りはデザイン性も高く評価されています。異なる大きさのタイルを組み合わせることで、壁面に独特の凹凸が生まれます。この凹凸に光が当たることで、美しい陰影が浮かび上がり、空間に奥行きと立体感を与えることができます。シンプルな壁面も、イギリス張りによって表情豊かで魅力的な空間へと変わります。

また、イギリス張りでは様々な素材のタイルを使用することができます。例えば、素朴な風合いの陶器タイルや、光沢のある磁器タイル、重厚感のある石材タイルなど、好みに合わせて自由に選択することで、オリジナリティあふれる空間を演出できます。和風、洋風、モダンなど、どんなスタイルの建物にも合わせやすく、デザインの幅を広げることができる点も大きな魅力です。

特徴 詳細
強度 小口タイルと二丁掛けタイルの組み合わせにより、タイル同士の結びつきが強固になり、壁全体の強度、建物の耐久性が向上
防水性・防汚性 規則正しい目地により、水や汚れの浸透を防ぎ、建物の劣化を抑制、メンテナンスの手間と費用を削減。外壁、浴室、キッチンなどに最適
デザイン性 タイルの組み合わせによる凹凸と光による陰影が、空間に奥行きと立体感を与える。様々な素材のタイルを使用可能で、和風、洋風、モダンなど様々なスタイルに適応

施工時の注意点

施工時の注意点

レンガ積み調のタイル貼り、イギリス積みを行う際、いくつか気を付ける点があります。仕上がりの美しさと建物の耐久性を確保するため、施工前にタイルの寸法精度を確認することが重要です。イギリス積みは、小口タイルと二丁掛けタイルを交互に組み合わせていく工法です。これらのタイルの寸法が不揃いだと、目地幅にばらつきが生じ、見た目が悪くなるだけでなく、タイルが剥がれやすくなるなど、強度に問題が発生する可能性があります。ですから、施工前にタイルの寸法をきちんと測り、寸法が合っていない場合は調整する必要があります。

次に、目地材選びも大切なポイントです。目地材はタイル同士をくっつけるだけでなく、水や汚れを防ぐ役割も担います。使用する場所の環境やタイルの種類に合った目地材を選ぶことが重要です。例えば、水回りで使う場合は防水性の高い目地材を、汚れやすい場所では防汚性の高い目地材を選ぶ必要があります。目地材の色を選ぶことで、壁全体の印象も大きく変わります。タイルの色との組み合わせをよく考えて、全体の雰囲気に合った色を選びましょう。

タイルの配置にも注意が必要です。イギリス積みは、小口タイルと二丁掛けタイルを規則正しく並べることで独特のデザインを作り出します。しかし、この規則正しい並びを維持するには、熟練した技術が必要です。タイルを正確な位置に配置し、水平と垂直をきちんと保つことで、美しい仕上がりを実現できます。また、目地の仕上げにもこだわりが必要です。目地材を丁寧に詰め込み、余分な目地材をきれいに拭き取ることで、仕上がりの美しさが格段に向上します。経験豊富な職人は、これらの点に細心の注意を払い、美しく丈夫なイギリス積みを実現します。

項目 注意点
タイル寸法 施工前にタイルの寸法精度を確認。寸法が不揃いだと、目地幅にばらつきが生じ、見た目が悪くなるだけでなく、タイルが剥がれやすくなる。
目地材選び 使用する場所の環境やタイルの種類に合った目地材を選ぶ。水回りで使う場合は防水性の高い目地材を、汚れやすい場所では防汚性の高い目地材を選ぶ。タイルの色との組み合わせをよく考えて、全体の雰囲気に合った色を選びましょう。
タイルの配置 小口タイルと二丁掛けタイルを規則正しく並べる。タイルを正確な位置に配置し、水平と垂直をきちんと保つ。
目地の仕上げ 目地材を丁寧に詰め込み、余分な目地材をきれいに拭き取る。

まとめ

まとめ

イギリス積みは、見栄えと実用性を兼ね備えたタイルの貼り方です。小さな正方形タイルと横長の二丁掛けタイルを交互に配置することで、独特の模様が浮かび上がり、壁にリズムと奥行きが生まれます。規則的にタイルを並べることで、単調になりがちな壁面に動きを与えるだけでなく、個性的で洗練された印象を作り出します。

イギリス積みは、見た目の美しさだけでなく、機能面でも優れています。交互に配置されたタイルは、互いに支え合う形になるため、通常のタイル張りよりも連結部分の強度が増し、壁全体の耐久性が向上するのです。これは、建物の寿命を延ばすことにも繋がります。

施工にあたっては、いくつか注意すべき点があります。タイルの寸法精度が重要です。ミリ単位のズレが仕上がりに大きく影響するため、正確な寸法のタイルを選ぶとともに、熟練した職人に依頼することが大切です。また、目地材の選択も重要なポイントです。タイルの色や質感に合った目地材を選ぶことで、より美しく調和のとれた仕上がりになります。目地材の色を変えるだけでも、壁全体の印象が大きく変わります。

このように、イギリス積みは、施工に手間がかかる分、美しい仕上がりと高い耐久性を得ることができます。その魅力から、住宅だけでなく、店舗や公共施設など、様々な場所で採用されています。外壁、内壁を問わず、様々な場所に用いることができ、空間に独特の雰囲気を添えます。あなたもイギリス積みで壁を彩り、より魅力的な空間を演出してみてはいかがでしょうか。

項目 内容
特徴 正方形タイルと横長タイルの交互配置による独特の模様とリズム、奥行きのある壁面を演出
メリット
  • 美的:個性的で洗練された印象
  • 機能的:タイル同士の支え合いによる高い耐久性と建物の長寿命化
施工上の注意点
  • タイルの寸法精度が重要
  • 熟練した職人への依頼
  • タイルの色や質感に合った目地材選び
適用範囲 住宅、店舗、公共施設などの外壁・内壁