踏込み床:くつろぎの和空間

踏込み床:くつろぎの和空間

リフォームの初心者

先生、『踏込み床』って床の間の種類ですよね?普通の床の間とはどう違うんですか?

リフォーム専門家

いい質問だね。『踏込み床』は床の間の一種で、普通の床の間とは畳との関係が違うんだ。普通の床の間は畳よりも一段高くなっているけど、『踏込み床』は畳と同じ高さになっているんだよ。

リフォームの初心者

ああ、なるほど!だから『踏込み』って言うんですね。でも、なんでわざわざ畳と同じ高さにするんですか?

リフォーム専門家

そう。『踏込み床』は、普通の床の間よりも格式ばらない、くだけた感じを出すために作られるんだ。だから、茶室のような少しカジュアルな場所に用いられることが多いんだよ。

踏込み床とは。

家の改修工事でよく聞く言葉に『踏み込み床』というものがあります。これは床の間の一種で、床框と呼ばれる仕切り枠を使わず、畳と同じ高さに床板を張ったものです。少しカジュアルな雰囲気の床の間になります。踏み込み床は『ふん五み床』や『ふん五み』とも呼ばれます。

踏込み床とは

踏込み床とは

踏込み床とは、日本の伝統的な家屋に見られる、床の間の種類の一つです。床の間というと、掛軸や花瓶を飾る、少し格式ばった場所という印象を持つ方も多いでしょう。確かに、床の間は来客をもてなす際に使われることが多く、家の顔とも言える大切な場所です。しかし、すべての床の間が同じように格式が高いわけではありません。踏込み床は、一般的な床の間とは少し違った、落ち着いた雰囲気を持っています。

その一番の特徴は、床框(とこがまち)がないことです。床框とは、床の間の周りを囲む木の枠のことです。一般的な床の間にはこの床框があり、畳よりも一段高くなっているため、足を踏み入れることはできません。しかし、踏込み床には床框がなく、畳と同じ高さに板が張られています。そのため、床の間の部分に足を踏み入れることができるのです。この構造上の特徴から、「踏み込む」ことができる床の間という意味で、「踏込み床」と呼ばれるようになりました。

踏込み床は、そのくつろいだ雰囲気から、茶室や書院のような改まった場所よりも、普段の生活で使う居間などによく用いられます。家族がゆったりとくつろげる空間を作るのに、踏込み床は一役買っていると言えるでしょう。また、踏込み床には、「ふんごみ床」や「ふんごみ」といった別名もあります。地域によって様々な呼び方がされているため、初めて聞くという方もいるかもしれません。しかし、いずれの呼び名も、「踏み込む」ことができるという、踏込み床の特徴をよく表しています。

踏込み床は、床框がないことで生まれる独特の開放感と、畳の温もりとが調和した、日本家屋の良さを存分に味わえる場所です。もし家屋の改築などで床の間を作る機会があれば、踏込み床も選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。

項目 内容
種類 床の間の一種
名称 踏込み床(ふんごみ床、ふんごみ)
特徴 床框がなく、畳と同じ高さに板が張られているため、床の間部分に足を踏み入れることができる。
雰囲気 落ち着いた、くつろいだ雰囲気
使用場所 茶室や書院のような改まった場所よりも、普段の生活で使う居間など
メリット 家族がゆったりとくつろげる空間を作る。
日本の伝統的な家屋の良さを存分に味わえる。

踏込み床の利点

踏込み床の利点

踏込み床は、従来の床の間とは異なり、床框を設けないことで、空間に広がりと開放感をもたらします。天井が高くなったように感じられ、部屋全体が広く見える効果も期待できます。また、床框がないため、つまづく心配もなく、小さなお子さんや高齢の方にも安全です。特に、限られた空間を有効活用したい場合に、踏込み床は最適な選択肢と言えるでしょう。

踏込み床の高さは、畳の高さと同じです。そのため、椅子や座布団を置いて、くつろぎのスペースとして活用できます。足を伸ばしてゆったりと座ったり、寝転んだりすることも可能です。また、小さなお子さんが遊んだり、お昼寝をしたりするのにも適しています。床に座って読書をしたり、趣味に没頭したりするのも良いでしょう。このように、踏込み床は、多目的な空間として、様々な用途に利用できます。

従来の床の間は、格式張った雰囲気で、少し近寄りがたい印象がありました。床の間の使い方に迷ったり、飾るものに悩んだりする方も少なくなかったでしょう。しかし、踏込み床は、そのような堅苦しさを感じさせません。気軽に様々なものを飾ったり、日常的に使えるスペースとして活用したりすることで、生活により密着した空間になります。例えば、季節の花や植物を飾ったり、お気に入りの置物を並べたり、絵画や写真を飾ったりするのも良いでしょう。また、趣味の道具や作品を飾ることで、自分らしい空間を演出することもできます。

踏込み床は、現代的な住宅にも違和感なく調和します。和風の空間だけでなく、洋風のインテリアにも合わせやすいのが特徴です。畳の部屋だけでなく、フローリングの部屋にも取り入れることができます。現代の生活様式に合わせた、新しい和の空間を演出したい方に、踏込み床はおすすめです。

特徴 メリット 用途 その他
床框なし 開放感、広がり、つまづき防止、安全性 くつろぎスペース、子供/高齢者向け、限られた空間の有効活用 現代的住宅に調和、和洋問わず
畳の高さ 椅子/座布団利用可、ゆったり、多目的 子供の遊び場、お昼寝、読書、趣味
格式張らない 気軽、日常使い、生活に密着 飾り付け、趣味の展示、自分らしい空間演出

踏込み床の作り方

踏込み床の作り方

住まいの雰囲気を一層豊かに彩る踏込み床。その作り方を詳しく解説します。まず、踏込み床を設置する部屋全体の雰囲気を把握することが大切です。落ち着いた和風の部屋にはもちろん、現代的な洋風の部屋にも、趣深いアクセントとして取り入れることができます。周囲の床材や壁の色、家具の様式などを考慮し、調和のとれた空間づくりを目指しましょう。

床材の選定は、雰囲気を左右する重要な要素です。畳や無垢材といった自然素材を用いることで、温かみのある和の空間を演出できます。一方、フローリング材を使用すれば、現代的な印象の踏込み床に仕上がります。色合いも、周囲の床や壁の色と合わせ、統一感を出すことが重要です。

踏込み床の大きさも、部屋の広さとのバランスが大切です。小さすぎると、せっかくの踏込み床が空間に埋もれてしまい、その魅力が十分に発揮されません。反対に、大きすぎると、部屋全体が狭く感じられ、圧迫感を与えてしまう可能性があります。部屋の広さをよく確認し、適切な奥行きと幅を決めましょう。

照明の使い方も、踏込み床の魅力を引き出す重要なポイントです。天井からの直接照明だけでなく、間接照明を効果的に活用することで、奥行きと立体感を強調できます。柔らかな光で床の間部分を照らし出すことで、より落ち着いた雰囲気を醸し出し、空間に温かみを添えることができます。例えば、壁際に設置したスタンドライトで壁面を照らしたり、床に設置した照明で下から照らし上げたりすることで、陰影が生まれ、空間全体に奥行きが生まれます。

踏込み床は、設置場所や使い方によって、様々な表情を見せる空間です。これらのポイントを踏まえ、自分らしい、魅力的な踏込み床を作り上げてください。

項目 詳細
雰囲気 和室・洋室どちらにも合う。周囲の床材、壁の色、家具の様式と調和させる。
床材 畳、無垢材 → 温かみのある和の空間
フローリング材 → 現代的な印象
周囲の床や壁の色と合わせ統一感を出す。
大きさ 部屋の広さとのバランスが重要。小さすぎると埋もれ、大きすぎると圧迫感を与える。適切な奥行きと幅を決める。
照明 直接照明だけでなく間接照明も活用。奥行きと立体感を強調。柔らかな光で落ち着いた雰囲気と温かみを演出。スタンドライトや床置き照明で陰影を作り、奥行きを出す。

踏込み床の活用例

踏込み床の活用例

踏込み床は、日本の住まいにおける独特の空間であり、その活用方法は住む人の工夫次第で多様に広がります。古くから伝わる使い方としては、床の間のように季節感を演出する場として活用する方法があります。例えば、春には桜、秋には紅葉など、季節の花々を生けることで、自然の移ろいを感じることができます。また、掛け軸を飾ることで、侘び寂びの世界観を表現することも可能です。お正月には門松やしめ縄、ひな祭りには雛人形、端午の節句には五月人形など、年中行事の飾り付けをすることで、家族の思い出を彩る特別な場所にもなります。

一方、現代の生活スタイルに合わせた活用方法も数多くあります。例えば、趣味の空間に変えることも可能です。集めた陶器や工芸品、あるいは旅行で手に入れた民芸品などを展示することで、自分だけの小さな美術館を作り出すことができます。また、読書スペースとして活用するのも良いでしょう。座布団やクッションを置いて、落ち着いた雰囲気の中でゆったりと読書を楽しむことができます。間接照明を設ければ、さらに落ち着いた空間を演出できます。さらに、ちょっとした作業スペースとして活用することも考えられます。小さな机を置いて、書き物や趣味の作業をする場所として利用すれば、限られた空間を有効に活用できます。

踏込み床は、その家の住人の個性を反映できる場所です。生活スタイルや好みに合わせて、自由に飾り付けやアレンジを加えることで、より快適で心地よい、そして個性豊かな空間へと変えることができます。少しの工夫で、住まいの中における特別な場所になるでしょう。

活用方法 説明 季節感の演出 現代風の使い方
年中行事 門松、しめ縄、雛人形、五月人形などを飾る 正月、ひな祭り、端午の節句
季節の演出 桜、紅葉など季節の花々や掛け軸を飾る 春、秋
趣味の空間 陶器、工芸品、民芸品などを展示する 自分のコレクションを活かす
読書スペース 座布団、クッション、間接照明で落ち着いた空間を作る リラックスできる空間
作業スペース 小さな机を置いて書き物や趣味の作業をする 限られた空間の有効活用

まとめ

まとめ

踏込み床は、床の間の一種ですが、正式な床の間とは少し異なり、畳と段差のない、気楽に使える空間です。「ふんごみ床」や「ふんごみ」といった別名でも呼ばれています。

最大の特徴は、床框がないことです。床框とは、床の間の畳と地板の境目にある横木のことですが、踏込み床にはこれがありません。そのため、視線が遮られることなく、開放的な雰囲気になります。また、畳と同じ高さになっているため、上がったり下がったりする必要がなく、気軽に立ち入ったり、物を置いたりすることができます。

伝統的な床の間のように、花瓶に生けた花や掛け軸を飾るのはもちろん、現代の生活スタイルに合わせて、様々な活用法が考えられます。例えば、お気に入りの置物や小物を並べて飾ったり、読書や趣味を楽しむスペースとして利用したりすることもできます。

和風の部屋だけでなく、洋風の部屋にも違和感なく馴染むため、現代的な住宅にもよく合います。畳敷きの部屋だけでなく、フローリングの部屋に設置して、和の雰囲気を取り入れることも可能です。

踏込み床を設置することで、空間にゆとりと落ち着きが生まれ、くつろげる空間になります。また、自分の好きなように使える自由度の高さも魅力です。ライフスタイルに合わせて、多様な使い方ができる踏込み床を、あなたの住空間に取り入れてみてはいかがでしょうか。きっと、より豊かで、心地よい暮らしを実現できるはずです。

項目 説明
別名 ふんごみ床、ふんごみ
最大の特徴 床框がない
雰囲気 開放的
段差 なし
利用方法
  • 花瓶に生けた花や掛け軸を飾る
  • お気に入りの置物や小物を並べて飾る
  • 読書や趣味を楽しむスペースとして利用する
設置場所
  • 和風の部屋
  • 洋風の部屋
  • 畳敷きの部屋
  • フローリングの部屋
設置効果
  • 空間にゆとりと落ち着きが生まれる
  • くつろげる空間になる
魅力 自由度の高さ