
ラッチボルト:扉の隠れた守護神
扉を枠に固定する、縁の下の力持ちとも言える部品、それが「掛け金」です。普段、何気なく開け閉めしている扉ですが、この「掛け金」がなければ、扉は風で簡単に開いてしまったり、しっかりと閉まらなかったりしてしまいます。「掛け金」は、ドアの取っ手やレバーの内部に隠れており、普段は見ることができませんが、扉の開閉に欠かせない重要な役割を担っています。「掛け金」の先端は、三角形の形をしています。この三角形の部分が、扉枠の受け座にしっかりと引っかかることで、扉を閉じた状態に保つことができるのです。扉を開ける時は、ドアの取っ手を回したり、レバーを下げたりします。すると、内部で連動している機構によって「掛け金」が引っ込み、扉枠の受け座から外れることで、扉を開けることができる仕組みになっています。「掛け金」は「空締め金」「仮締め金」と呼ばれることもあり、また、その形状から「舌」と呼ぶ人もいます。
「掛け金」の材質は、主に真鍮、ステンレス、鋼鉄などが使われています。真鍮は加工しやすく、耐腐食性にも優れているため、広く使用されています。ステンレスは錆びにくく、耐久性が高いので、屋外や水気の多い場所に設置される扉に適しています。鋼鉄は強度が高い反面、錆びやすいという欠点があるため、表面処理を施したものが使われます。
「掛け金」は、扉の厚みや用途に合わせて様々な種類があります。例えば、扉の厚みが薄い場合には、短い「掛け金」が使用されます。また、防火扉のように高い気密性が求められる扉には、特殊な形状の「掛け金」が使用されることもあります。
このように、「掛け金」は一見地味な部品ですが、扉の開閉をスムーズに行う上で、無くてはならない重要な存在なのです。普段目に触れる機会は少ないですが、その働きを理解することで、扉の開閉がより安全で快適なものになります。