かぶり厚さ

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素材

かくれたる名脇役:スペーサー

家はもとより、様々な建物を建てるには、コンクリートが欠かせない材料です。コンクリートは頑丈で長持ちするため、建物の骨組みを支える大切な役割を担っています。このコンクリートの強さをさらに高めるために、鉄筋という鉄の棒をコンクリートの中に埋め込みます。これを鉄筋コンクリート構造といいます。この鉄筋コンクリート構造を作る際に、スペーサーは大変重要な役割を担います。 スペーサーとは、コンクリートを流し込む型枠と鉄筋の間の距離を一定に保つための小さな部品です。型枠とは、コンクリートを流し込むための枠組みのことです。コンクリートは液体状で流し込むため、鉄筋の位置を適切に保つ必要があります。スペーサーを使うことで、鉄筋がコンクリートの表面に出てしまうのを防ぎ、鉄筋を適切な位置に配置することができます。 鉄筋がコンクリートの表面に出てしまうと、鉄筋が錆びてしまい、コンクリートの強度が落ちてしまう原因となります。錆びは鉄を腐食させるため、鉄筋の強度が下がり、ひび割れなどの原因にも繋がります。また、鉄筋が適切な位置に配置されていないと、建物の強度が不足する可能性があります。地震や強風などの外力に耐えるためには、鉄筋が適切な位置に配置され、コンクリート全体で力を支える必要があります。 スペーサーには様々な種類があり、用途や場所に応じて適切なスペーサーを選ぶ必要があります。例えば、使用する鉄筋の太さや、コンクリートのかぶせる厚さによって、スペーサーの大きさや形状が異なります。適切なスペーサーを選ぶことで、建物の強度と耐久性を高めることができます。このように、スペーサーは建物の安全を守る上で、小さな部品ながらも非常に重要な役割を果たしているのです。
工法

かぶり厚さ:建物の寿命を守る秘訣

建物を建てる際、鉄筋コンクリート造は広く採用されていますが、その耐久性を左右する重要な要素の一つにかぶり厚さがあります。これは、コンクリート表面から鉄筋表面までの最短距離のことです。鉄筋は建物の骨組みとなる重要な役割を担っていますが、雨や風、湿気などに直接触れると錆びてしまい、本来の強度を維持できなくなってしまいます。 鉄筋を保護するために、コンクリートで覆う必要があります。この覆っているコンクリートの厚さをかぶり厚さと呼びます。適切なかぶり厚さを確保することで、鉄筋を外部環境から守り、建物の寿命を延ばすことができます。もし、かぶり厚さが不十分であれば、鉄筋が錆びやすくなり、ひび割れや剥離、そして最終的には建物の倒壊につながる可能性があります。逆に、かぶり厚さが過剰であっても、コンクリートのひび割れにつながる可能性があります。 かぶり厚さは、建物の規模や用途、周囲の環境によって適切な値が異なります。例えば、海岸沿いの建物は、潮風による塩害の影響を受けやすいため、内陸部の建物よりも厚いかぶり厚さが必要になります。また、建物の構造耐力上重要な柱や梁の部分は、より厚いかぶり厚さが求められます。 かぶり厚さを適切に設定するために、建築基準法や関連する基準に基づいて設計されます。設計者は、建物の規模や用途、周囲の環境などを考慮し、最適なかぶり厚さを決定します。施工段階では、設計図に基づき、正確なかぶり厚さを確保することが重要です。かぶり厚さは、建物の安全性を確保する上で非常に重要な要素であるため、設計者や施工者は十分な注意を払う必要があります。定期的な点検や補修を行い、建物の耐久性を維持していくことが大切です。