なげし

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室内

和室の格を高める長押の魅力

長押(なげし)とは、日本の伝統家屋でよく見かける、柱と柱の間を水平につなぐ横木のことです。壁の上部に沿って取り付けられ、一見するとただの飾り木のようですが、実は家の強度を高めるという大切な役割も担っています。 長押の歴史を紐解くと、その始まりは平安時代まで遡ります。当時は、土壁が崩れるのを防ぐために、柱と柱を繋いで壁を補強する目的で長押が使われていました。そのため、初期の長押は、構造上の必要性から生まれた実用的なものでした。 時代が進むにつれて、長押は実用性だけでなく、装飾性も重視されるようになっていきました。室町時代以降になると、長押に彫刻を施したり、美しい木材を用いたりすることで、部屋全体に風格や華やかさを添えるようになりました。特に武家屋敷などでは、長押の装飾によって家の格式を表すこともありました。 現代の住宅では、和室に長押を設置することが一般的です。長押があることで、畳や襖、障子といった他の和の要素と調和し、落ち着いた雰囲気の空間を作り出します。また、長押に掛け軸や花器などを飾ることで、和室の趣をさらに深めることもできます。 このように、長押は単なる横木ではなく、日本の伝統建築を象徴する重要な要素と言えるでしょう。長押の歴史や役割を知ることで、日本の建築文化への理解を深めることができるのではないでしょうか。