ねじれ

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家の骨組み:芯持ち材の重要性

家は、木材なくしては建てることができません。木材には多くの種類がありますが、中でも「芯持ち材」は、家の土台を支える上で、特に大切な役割を果たしています。芯持ち材とは、木の年輪の中心、つまり「樹心」を含んだ木材のことです。樹心は木の中心部に位置し、最も硬くて強い部分です。この樹心を含むことで、芯持ち材は抜群の強さと安定性を持ち、家の骨組みをしっかりと支えることができるのです。 木の成長は、中心にある樹心を核として、外側に向かって層を重ねるように成長していきます。この層が年輪と呼ばれるものです。樹心は木の最も初期に形成された部分であり、長い年月をかけて緻密に組織が形成されているため、木の中で最も硬く、強度が高い部分となります。芯持ち材は、この樹心を含んでいるため、木材全体が均一な強度を持ち、乾燥による収縮や反り、割れなどが少ないという特徴があります。 一方、樹心を含まない木材は、「辺材」と呼ばれます。辺材は樹心の外側に位置する部分で、木を成長させるための水分や養分を通す役割を担っています。そのため、辺材は芯持ち材に比べて柔らかく、水分を多く含んでいるため、乾燥による変形が起こりやすいという性質があります。 家を建てる際には、木材の強度と安定性が求められます。特に、家の骨組みとなる柱や梁には、高い強度と耐久性を持つ芯持ち材が最適です。芯持ち材は、家の構造をしっかりと支え、地震や台風などの自然災害から家を守る上で重要な役割を果たします。また、芯持ち材は、見た目の美しさも魅力の一つです。木の幹の中心が木材の中心に位置しているため、均整のとれた美しい木目を楽しむことができます。木材を選ぶ際には、芯持ち材を選ぶことで、家の耐久性と安全性を高めることができるだけでなく、見た目にも美しい家づくりを実現できるのです。
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木材の暴れを抑えるリフォーム術

木材の暴れとは、木材が乾燥する過程で、形が変わる現象を指します。木材は、もともと生きている木から切り出された天然素材ですから、水分を多く含んでいます。伐採後、木材は徐々に乾燥し、水分が抜けていきます。しかし、この乾燥が木材全体で均一に進まないことがよくあります。 木材の内部には、繊維と呼ばれる細い管のようなものがたくさん詰まっており、これが木材の強度を保っています。乾燥が進むと、これらの繊維は縮んでいきます。ところが、木材の表面と内部、あるいは心材と辺材といった部分で乾燥の速度が異なると、繊維の縮み具合にも差が生じます。すると、木材内部に引っ張り合う力が生まれ、木材が反ったり、曲がったり、ねじれたりといった変形を起こします。これが「暴れ」と呼ばれる現象です。 木材の種類によって、この暴れの起こりやすさは大きく違います。例えば、檜(ひのき)のような針葉樹は比較的素直に乾燥しやすい一方、欅(けやき)などの広葉樹は暴れやすい傾向があります。また、乾燥方法も重要です。急激に乾燥させると暴れが激しくなるため、じっくりと時間をかけて乾燥させる必要があります。さらに、乾燥後の保管環境も大切です。湿度の高い場所に保管すると、木材が再び水分を吸収し、再度暴れを起こす可能性があります。 家屋を建てる、あるいはリフォームを行う際には、この木材の暴れを予め考慮しておくことが非常に重要です。暴れを見越さずに木材を使用すると、施工後に様々な問題が発生する可能性があります。例えば、壁や床に隙間が空いたり、ドアや窓が開閉しにくくなったり、床が水平でなくなったりするといった不具合が起こりえます。 木材の暴れは自然現象であるため、完全に防ぐことはできません。しかし、木材の種類や乾燥方法を適切に選択し、経験豊富な職人が丁寧に施工することで、暴れの影響を最小限に抑えることができます。また、乾燥材や集成材など、暴れにくい木材を使用するのも有効な手段です。このように、木材の性質を理解し、適切な対策を講じることで、美しく、そして長く快適に暮らせる家づくりが可能となります。