玄関のアルコーブ:住まいの快適性を高める工夫
壁のくぼみを利用した空間のことを、アルコーブといいます。マンションの入口で見かけることが多く、共用廊下から少し入ったところに玄関扉がある形が一般的です。戸建て住宅にも取り入れることができ、玄関の屋根のある部分や庭の一部にアルコーブを設けることで、屋外でありながら、ほどよく囲まれた感じと他人からの視線を遮ることができます。建物の外観に変化を与え、奥行きを出すことで、単調になりがちな壁に表情を生み出す効果も期待できます。
アルコーブの設置場所は、玄関ポーチが最も一般的です。玄関扉前にある程度の奥行きを確保することで、雨風をしのげるだけでなく、傘を開いたり閉じたりする際に濡れずに作業ができます。また、荷物が多い時や、小さな子供連れの外出時に、一時的に荷物を置くスペースとしても便利です。
庭に設ける場合は、ベンチを置いて休憩スペースにしたり、植栽を置いてちょっとした庭のような空間を作ることもできます。周囲を壁やフェンスで囲むことで、プライベートな空間を演出できます。
アルコーブは、建物のデザイン性と機能性を高める有効な手段です。設置場所や形状によって、様々な効果が期待できます。新築やリフォームの際に、アルコーブの設置を検討してみてはいかがでしょうか。風雨をしのぐだけでなく、プライバシー保護や収納スペースの確保など、暮らしをより快適にする工夫につながります。大きさや形も自由に設計できるので、住まいの外観や庭のデザインに合わせて、個性的な空間を演出することも可能です。