
ウレタン防水で安心できる住まいを実現
ウレタン防水とは、建物の屋上やベランダ、バルコニーといった場所を雨水から守るための工事方法の一つです。液体のウレタン樹脂を塗り、それを固めることで、建物を覆う防水の膜を作り上げます。
このウレタン防水は、ゴムのような弾力性を持っているため、建物のちょっとした動きや揺れにもうまく対応し、ひび割れしにくいという特徴があります。また、液体の状態から固まるため、複雑な形の場所にも隙間なく工事ができるという利点もあります。そのため、新しく建てた建物だけでなく、既に建っている建物の改修工事にも広く使われています。
ウレタン防水には、塗る回数によって、何層にも分けて塗る複層塗膜防水と、一度で仕上げる単層塗膜防水があります。複層塗膜防水は、下塗り、中塗り、上塗りと複数回に分けてウレタン樹脂を塗布する方法です。それぞれの層が異なる役割を果たし、防水性能を高めます。一般的には下塗りで密着性を高め、中塗りは防水層の厚みを確保し、上塗りは紫外線などから防水層を守ります。耐久性が高く、長持ちするのが特徴です。一方、単層塗膜防水は、一度で厚塗りのウレタン樹脂を塗布する方法です。工期が短く、費用を抑えられるメリットがあります。しかし、複層塗膜防水に比べると耐久性が劣る場合もありますので、建物の形状や用途、予算などを考慮して、最適な工法を選ぶことが大切です。
近年では、環境への配慮から、より耐久性が高く、長持ちするウレタン防水材も開発されています。例えば、太陽光を反射する塗料を上塗り材に混ぜることで、屋上の表面温度の上昇を抑え、建物の寿命を延ばす効果が期待できます。また、植物由来の原料を使用した環境に優しいウレタン防水材も登場しています。これらの新しい技術は、建物の寿命を延ばすだけでなく、地球環境の保護にも貢献しています。ウレタン防水は、建物を雨水から守るだけでなく、建物の寿命を延ばし、快適な居住環境を維持するための重要な役割を担っています。