カラー鉄板

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屋根材の選び方:カラー鉄板について

カラー鉄板とは、読んで字のごとく、色を塗った鉄板のことです。屋根材として使われることが多く、住宅だけでなく、倉庫や工場など、様々な建物で見かけることができます。 見た目はただの色のついた板ですが、実は何層にも工夫が凝らされています。中心となるのは鉄の板で、この鉄板に亜鉛めっきを施すことで、錆びにくくしています。亜鉛めっきとは、鉄の表面を薄い亜鉛の膜で覆う処理のことです。この亜鉛の膜が、鉄が直接空気に触れるのを防ぎ、錆の発生を抑える働きをします。さらに、その上に塗装を施すことで、より防錆効果を高め、見た目にも美しい仕上がりになります。この何層もの工夫のおかげで、雨風にさらされる屋根でも長持ちするのです。 カラー鉄板の大きな特徴の一つは、軽いことです。瓦屋根などに比べると、同じ面積でもカラー鉄板の方がはるかに軽いため、建物の構造への負担が軽くなります。これは、地震の際に建物が倒壊する危険性を減らすことにもつながります。また、軽いということは、施工がしやすく、工期を短縮できるというメリットもあります。 加工のしやすさもカラー鉄板の利点です。切ったり、曲げたりといった加工が比較的容易なため、複雑な形状の屋根にも対応できます。そのため、デザインの自由度が高い屋根材と言えるでしょう。切妻屋根、寄棟屋根、陸屋根など、様々な屋根形状に合わせることができ、建築家の意匠を反映させやすい材料です。 このように、カラー鉄板は、耐久性、耐震性、施工性、デザイン性など、多くの利点を兼ね備えた屋根材です。コストパフォーマンスにも優れているため、幅広い用途で利用されています。