コルクガシ

記事数:(1)

素材

環境に優しいコルクの魅力

コルクとは、主に地中海沿岸の地域で育つコルク樫という木の皮から採れる自然素材です。この木の皮は、特殊な細胞の作りをしているため、とても軽く、弾力性に富み、水をほとんど通しません。まるで天然のスポンジのような性質を持っているため、様々な用途に使える優れた素材と言えるでしょう。 コルク樫は、成長すると高さ20メートル、直径1メートルにもなる大きな木です。その皮は、厚さ数センチにもなり、外側から内側に向けて幾層にも重なっています。この皮を採取しても、木は枯れることがありません。約9年という周期で再生するため、環境に負担をかけることなく利用できる、持続可能な資源として注目を集めています。まさに自然の恵みと言えるでしょう。 採取されたコルクの皮は、まず煮沸消毒され、乾燥させられます。その後、用途に応じて様々な形に加工されます。最もよく知られているのは、ワインなどの瓶の栓としての利用です。コルクの弾力性と防水性は、瓶の中の液体をしっかりと閉じ込めるのに最適です。音を吸収する性質もあるため、楽器の一部にも使われています。 さらに、コルクは建材としても優れた特性を発揮します。断熱性が高いため、床や壁に使うことで、室内の温度を一定に保ち、冷暖房の効率を高めることができます。また、柔らかな感触と独特の模様は、心地よい空間を演出します。近年では、その環境への優しさから、粉末状にして複合材料に混ぜ込むなど、様々な分野での活用が期待されています。使い道が、ますます広がっていく素材と言えるでしょう。