コンクリート打放し

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仕上げ

コンクリート打放しの魅力と注意点

コンクリート打ち放しとは、建物の骨組みとなるコンクリートを、そのまま仕上げとして使う工法のことです。表面に塗料を塗ったり、タイルを貼ったりといった追加の仕上げ作業をしないので、コンクリートが持つ本来の表情をそのまま活かすことができます。飾り気のない、それでいて重厚な雰囲気、無機質な素材感が魅力で、近年では家だけでなく、お店や美術館など、様々な建物で見かけるようになりました。 コンクリート打ち放しは、仕上げ材を使わないため、費用を抑えられる場合もあります。余計な材料費や手間賃がかからないためです。しかし、一方で施工には高い技術が必要です。コンクリートを流し込む型枠の精度、コンクリートの配合、温度や湿度の管理など、様々な要素が仕上がりの美しさに影響します。熟練した職人による丁寧な作業が、美しいコンクリート打ち放しを実現するために不可欠です。 また、コンクリートはひび割れしやすいという性質も持っています。乾燥収縮や温度変化によって、表面に細かなひび割れが入ることがあります。コンクリートの色むらは、材料の配合や養生の方法によって生じることがあります。さらに、ジャンカと呼ばれる空洞ができることもあり、これはコンクリートがしっかりと詰まっていない部分です。これらの欠陥を防ぐためには、材料の選定から施工、そして完成後の管理まで、細心の注意を払う必要があります。ひび割れについては、構造的な問題がない限りは、コンクリートの味わいと捉える考え方も一般的です。しかし、過度なひび割れやジャンカは建物の耐久性を損なう可能性があるため、適切な補修が必要です。このように、コンクリート打ち放しは高い意匠性を持つ反面、施工の難しさや欠陥のリスクも理解した上で採用する必要があります。
工法

建物の弱点?打継ぎのひみつ

家を建てる際、コンクリートは一度に全てを流し込むことができません。特に鉄筋コンクリート造の家では、高さが増すごとに一度に流し込むのは難しくなります。そこで、数メートルから十数メートルごとにコンクリートを分けて流し込み、固めて積み上げていく方法がとられます。この、分けて流し込んだコンクリート同士の境目が『打ち継ぎ』と呼ばれる部分です。 ケーキの層のように、家の各階にこの打ち継ぎがあると考えると分かりやすいでしょう。一見すると一体化しているように見えますが、実際には別々の時期に流し込まれたコンクリートが繋がっている部分なのです。この打ち継ぎ部分は、建物の強度にとって重要な役割を果たします。もし打ち継ぎが適切に処理されていないと、ひび割れや漏水の原因となる可能性があります。 打ち継ぎには大きく分けて二つの種類があります。一つは『水平打ち継ぎ』で、これは家の階層ごとにできる水平方向の打ち継ぎです。もう一つは『垂直打ち継ぎ』で、壁や柱など、垂直方向にできる打ち継ぎのことです。それぞれ施工方法が異なり、水平打ち継ぎは前の層のコンクリートが固まった後に表面をきれいにし、新しいコンクリートを流し込みます。表面の処理を適切に行うことで、新しいコンクリートと古いコンクリートがしっかりと一体化します。垂直打ち継ぎの場合は、型枠を適切に設置し、コンクリートを流し込む際に隙間ができないように注意深く作業を進める必要があります。 このように、打ち継ぎは建物の強度や耐久性に大きく影響する重要な部分です。家を建てる際には、施工業者に打ち継ぎの方法や処理についてしっかりと確認することが大切です。適切な施工がされているかを確認することで、安心して暮らせる丈夫な家づくりに繋がります。