スキップフロア

記事数:(1)

プランニング

スキップフロアで空間を広く活用

スキップフロアとは、床の高さを半階ずつずらして配置する建築様式のことです。平屋、二階建てといった従来の建物の構造とは異なり、階段で短い距離を上がり下りしながら各部屋が配置されているのが特徴です。例えば、玄関を入って数段上がるとリビングがあり、そこからまた数段上がるとダイニングキッチン、さらに数段上がると寝室がある、といった具合に、空間が少しずつずれて積み重なっているようなイメージです。 この構造の最大のメリットは、限られた敷地を有効に活用できる点です。床面積は同じでも、高さをずらすことで空間を立体的に利用できるため、実際の面積以上に広く感じられます。また、天井高を自由に調整できるため、ロフトや吹き抜けのような開放的な空間を設けることも可能です。一階部分を駐車場にして、その上に居住空間を設けるといった場合にも適しています。 スキップフロアは、傾斜地にも柔軟に対応できます。従来の建築様式では、傾斜地に家を建てる場合、大規模な造成工事が必要となることがありますが、スキップフロアであれば、土地の形状に合わせて建物を設計することで、造成費用を抑えつつ、土地の個性を活かしたユニークな住宅を建てることができます。 さらに、スキップフロアは、視覚的にも開放的な空間を作り出します。床の高さがずれているため、視線が遮られにくく、空間全体を見渡せるため、実際の面積以上に広く感じられます。また、各部屋がゆるやかに繋がっているため、家族の気配を感じやすく、コミュニケーションが円滑になるというメリットもあります。 一方で、スキップフロアには、階段の上り下りが多くなるため、高齢者や小さなお子さんにとっては不便に感じる場合があるというデメリットも存在します。また、空間が細かく分かれているため、冷暖房効率が低下する可能性もあるため、設計段階で適切な対策を講じる必要があります。