
あばら筋:家の構造を守る縁の下の力持ち
{鉄筋コンクリート造りの建物}、特に梁には、建物の重さに耐えるためにあばら筋という重要な役割を持つ鉄筋が欠かせません。あばら筋は、スターラップとも呼ばれ、主筋という太い鉄筋よりも細い鉄筋を使って作られます。
梁には、建物の重みによって、物を曲げようとする力と、物を切断しようとする力の二つの力が働きます。主筋は主に前者に抵抗する役割を担いますが、あばら筋は後者の力、つまり剪断力に抵抗するために配置されます。
あばら筋は、主筋を囲むように、一定の間隔で帯状に垂直に巻かれています。ちょうど人体の肋骨のように、主筋をしっかりと支え、梁の強度を保つ役割を果たしているのです。
あばら筋が適切に配置されていないと、梁は剪断力に耐えられず、ひび割れが生じたり、最悪の場合崩壊する可能性があります。そのため、建物の安全を守る上で、あばら筋は非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。あばら筋の間隔や太さは、建物の規模や用途、想定される荷重などに応じて綿密に計算され、構造計算によって定められます。この計算に基づいて配置することで初めて建物の安全性が確保されるのです。