パーライト

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石綿パーライト板のリスクと対策

石綿パーライト板は、1960年代から1980年代にかけて、建物の壁や天井材として広く使われていた建築材料です。主な材料は、パーライトと呼ばれるものです。パーライトは、真珠岩や黒曜石といった火山岩を高温で処理することで作られます。このパーライトに、石綿とセメントを混ぜ合わせ、板状に固めたものが石綿パーライト板です。 石綿パーライト板は、様々な優れた性質を持っていました。まず、火に強く燃えにくい性質、つまり防火性がありました。次に、音を吸収する性質、つまり吸音性に優れていました。さらに、熱を伝えにくい性質、つまり断熱性にも長けていました。これらの優れた性質から、学校、病院、劇場といった多くの人が集まる公共施設で特に多く使われ、人々が快適に過ごせる空間づくりに大きく貢献しました。 しかし、後に石綿が人の健康に深刻な影響を与えることが明らかになりました。石綿を吸い込むことで、肺の病気などを引き起こす危険性があることが分かったのです。そのため、現在では石綿パーライト板の使用は法律で制限されています。 問題は、石綿パーライト板は見た目だけで他の建築材料と区別するのが難しいということです。そのため、建物の解体や改修工事の際には、石綿パーライト板が使われているかどうかをしっかりと確認する必要があります。もし、石綿パーライト板が使われている可能性がある場合は、専門の業者に依頼して調査してもらうことが大切です。専門家による適切な調査と処理によって、石綿による健康被害を防ぐことができます。