
はめ殺し窓:光と景色を楽しむ窓
はめ殺し窓とは、その名の通り、開閉することができない固定された窓のことを指します。窓枠にガラスがはめ込まれている様子から、「はめ殺し」という少し物騒な名前が付けられていますが、別名では「嵌め込み窓」とも呼ばれ、採光や景観を楽しむことを目的として設置されます。風を通したり、換気をしたりする機能は一切ありません。まるで絵画の額縁のように景色を切り取るため、「ピクチャーウィンドウ」と呼ばれることもあります。
はめ殺し窓の大きな特徴の一つは、デザインの自由度が高いことです。開閉のための機構が必要ないため、様々な形状の窓を作ることができます。正方形や長方形といった一般的な形はもちろんのこと、円形やアーチ型、三角形など、家の外観や内装に合わせて、個性的なデザインを選ぶことができます。また、複数の窓を組み合わせて、より複雑なデザインを作ることも可能です。大きさも自由に設定できるため、小さなものはインテリアのアクセントとして、大きなものは壁一面に設置することで、室内に自然光をたっぷり取り込み、開放的な空間を演出することができます。
はめ殺し窓は、開閉できないという制約がある一方で、気密性が高いというメリットがあります。隙間がないため、外の騒音や冷気・暖気が侵入しにくく、断熱効果や防音効果を高めることができます。そのため、道路に面した部屋や、静かな環境を必要とする寝室などに設置すると効果的です。また、掃除の手間が少ないこともメリットと言えるでしょう。開閉する窓のように、桟や金具などの細かい部分を掃除する必要がないため、手軽に清潔さを保つことができます。