
地震の規模:マグニチュードを理解する
地震の大きさを知る上で、「マグニチュード」という言葉をよく耳にするでしょう。マグニチュードとは、地震そのものが持つエネルギーの大きさを示す尺度のことです。よく誤解されることですが、マグニチュードは体感する揺れの大きさや被害の程度を直接表すものではありません。マグニチュードの値は、地震が発生した際に放出されるエネルギーの大きさを数値化したものなのです。
このマグニチュードという概念は、アメリカの地震学者であるチャールズ・F・リヒターによって1935年に考案されました。地震の規模を客観的に比較できるように、対数を使って表されています。対数で表現されているということは、マグニチュードが1増えると地震のエネルギーは約32倍、2増えると約1024倍、そして3増えると約3万2千倍以上にもなることを意味します。つまり、マグニチュードの値が少し変わるだけでも、地震のエネルギーは飛躍的に増加するのです。
例えば、マグニチュード7の地震はマグニチュード6の地震と比べて約32倍ものエネルギーを持っており、マグニチュード5の地震と比べると、なんと千倍以上のエネルギーを持っていることになります。マグニチュードが1違うだけでもこれほどの差があるため、マグニチュードのわずかな違いが、実際の地震のエネルギーには大きな違いをもたらすということを理解しておくことが大切です。地震のニュースなどでマグニチュードの値を耳にした際には、このことを思い出して、地震の規模を正しく把握するようにしましょう。