
家具材の定番!ヤチダモの魅力
ヤチダモは、モクセイ科トネリコ属に分類される落葉広葉樹です。湿った土地を好むことから「谷地(ヤチ)ダモ」と名付けられました。水辺に近い谷地や川沿いなど、湿潤な環境でよく見られます。水分を多く含む土地での生育に適応しているため、水に強く、腐りにくい性質を持っています。別名「タモ」とも呼ばれ、木材として広く利用されています。
ヤチダモは成長すると高さ20メートル以上、太さも1メートルを超える大木になります。樹皮は灰褐色で、木が成長するにつれて縦に深く裂け目が入り、重厚感あふれる風格を帯びてきます。年輪を重ねるごとに、この裂け目はより顕著になり、木の長い歴史を物語っているかのようです。春には、小さな黄緑色の花を房状に咲かせ、夏には翼のある果実をつけます。葉は、奇数枚の小葉が羽のように並んで一枚の葉を形成する羽状複葉で、秋には美しく黄葉します。
ヤチダモの木材は、淡い黄白色から淡い褐色をしており、木目が通っていて美しく、穏やかな印象を与えます。緻密で滑らかな木肌は、加工しやすく、仕上がりが美しいという特徴も持っています。この美しい木目と色合い、そして加工のしやすさから、家具や内装材、建具などに用いられ、私たちの生活空間を彩っています。また、ヤチダモは弾力性にも優れており、野球のバットやテニスラケット、スキー板など、スポーツ用品にも広く利用されています。粘り強さとしなやかさを兼ね備えているため、衝撃に強く、折れにくいという特性が、これらの用途に最適です。このように、ヤチダモは木材として優れた特性を持ち、様々な分野で活躍している、大変有用な樹木です。