下がった天井を活かすリフォーム
下がった天井とは、部屋などの天井面の一部が周囲よりも低くなっている部分のことです。まるで段差があるように、一部分だけ天井が下がっている状態を思い浮かべてみてください。この下がった天井は、住宅の設計段階で意図的に作られることが多く、様々な理由が存在します。
一つ目の理由は、屋根の形状に合わせた設計です。屋根が斜めになっている場合、天井もそのまま斜めに作ると、部屋の一部分が狭く、圧迫感を感じてしまうことがあります。そこで、天井を水平に保ちつつ、屋根の傾斜に合わせた部分だけを下げることで、空間を広く使えるように工夫しているのです。
二つ目の理由は、電気の配線やエアコンなどの設備を隠すためです。これらの配線や配管を露出したままにすると、見た目にも美しくなく、掃除もしにくくなります。下がった天井の中にこれらを隠すことで、すっきりとした印象の部屋を作ることができます。また、天井に埋め込むタイプの照明器具を設置する場合にも、下がった天井が必要となることがあります。
下がった天井は、住宅の間取り図では点線で表現されていることが多いので、確認してみましょう。購入を検討している住宅や、現在住んでいる住宅の間取り図を見れば、下がった天井の有無や位置がすぐに分かります。
下がった天井は、空間が狭く感じたり、圧迫感を与えたりといった欠点もあるように思われがちですが、工夫次第で部屋の印象を大きく変える効果的な要素になり得ます。例えば、下がった天井部分に間接照明を設置することで、落ち着いた雰囲気を演出することができます。また、異なる素材や色を使って天井を仕上げることで、空間にアクセントを加えることも可能です。リフォームを検討する際には、下がった天井をどのように活かすかをじっくり考えてみましょう。デメリットを逆手に取って、魅力的な空間に変えるチャンスです。