雪庇を防ぐ対策とは?
冬になると、屋根の端に雪がせり出すように大きく張り出す現象が見られます。これは雪庇と呼ばれるもので、一見すると冬ならではの美しい景色のように見えますが、実は大変危険なものです。雪庇は、屋根に積もった雪が強い風によって吹き飛ばされ、軒下などにどんどんと積み重なって形成されます。最初は小さな塊でも、時間の経過とともに雪が吹き寄せられ、想像以上に大きくなり、重さも増していきます。
雪庇の何が危険かというと、その重さにあります。雪庇は、自重を支えきれなくなると、突然、屋根から落下します。落下した雪の塊は、非常に重く、硬いため、真下に駐車していた車に直撃すれば、車体を大きくへこませたり、窓ガラスを割ってしまうこともあります。また、運悪く軒下を通りかかった人に直撃した場合、大変な怪我を負わせてしまう可能性があります。過去には、雪庇の落下によって、残念ながら命を落とす事故も発生しています。
雪庇による被害を防ぐためには、こまめな雪下ろしが重要です。屋根に雪が積もり始めたら、早めに雪下ろしを行い、雪庇が大きく成長するのを防ぎましょう。雪下ろしは、高所での作業となるため、危険を伴います。そのため、安全に作業を行うために、雪下ろし用の道具を使用したり、複数人で作業を行う、専門業者に依頼するなど、安全対策をしっかりと行うことが大切です。また、軒下には、雪庇が落下する可能性があることを示す看板などを設置し、注意喚起を行うことも有効な手段です。特に、積雪量の多い地域にお住まいの方は、雪庇の危険性を十分に認識し、適切な対策を行うようにしましょう。