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包丁研ぎの要、砥石の世界

刃物を研ぐためには砥石が欠かせません。砥石には様々な種類があり、大きく分けて荒砥、中砥、仕上砥の三種類に分けられます。それぞれ粒子の大きさが異なり、用途に応じて使い分けることが重要です。 まず、荒砥は、刃こぼれや大きな欠けを修正する際に使います。表面が粗いため、研磨力は非常に高いです。しかし、その分刃に深い傷をつけるため、仕上げには向きません。荒砥で研いだ後は、必ず中砥や仕上砥で研磨する必要があります。 次に中砥は、荒砥で研いだ後の刃をなめらかに整えるために使います。荒砥に比べると粒子は細かく、研磨力は穏やかです。刃の状態に合わせて適切な中砥を選ぶことで、効率的に研磨作業を進めることができます。中砥の中には青砥と呼ばれる種類があり、研磨力と仕上りのバランスが良いことから、古くから愛用されています。かつては天然の青砥石が主流でしたが、現在では人工的に作られたものが多く出回っています。天然のものは、京都産のものが特に有名で、現在では大変貴重なものとなっています。 最後に仕上砥は、刃に最終的な切れ味を与えるために使います。非常に細かい粒子でできており、刃を滑らかに磨き上げます。仕上砥を使うことで、食材を抵抗なく切ることができる鋭い刃付けが実現できます。仕上砥の種類も豊富で、材質や粒子の大きさによって仕上がりが微妙に異なります。 このように、砥石は種類によって役割が異なります。それぞれの特性を理解し、用途に合った砥石を選ぶことで、刃物を最高の状態に保つことができるのです。