ささら桁:ひな壇階段の魅力
ささら桁とは、階段の両脇に配置される板材で、階段の段板を支える重要な部材です。まるで楽器の「簓」に形状が似ていることから、この名前が付けられました。「簓」とは、細長い竹を束ねて作られた打楽器で、段々になった形状が特徴です。ささら桁にも同様に、段板を乗せるための刻み目が段状に付いています。この刻み目に段板をはめ込むことで、安定した階段が作られます。
ささら桁を使った階段は、見た目の印象が軽やかで、開放的な雰囲気を醸し出します。これは、段板を支える部分が目に見える形で存在し、蹴込み板(段と段の間をふさぐ板)がないためです。蹴込み板がないことで、階段下部の空間まで視線が抜けるため、空間全体が広く感じられます。また、風通しも良くなるため、じめじめとした印象を与えません。このような特徴から、ささら桁の階段は、現代的な住宅デザインによく採用されています。特に、限られた空間を有効活用したい場合や、開放的な空間を演出したい場合に適しています。
ささら桁を用いることで、階段下の空間を有効に活用できる点も大きな利点です。従来の階段では、階段下はデッドスペースになりがちですが、ささら桁の階段では、その空間を収納スペースとして利用したり、観葉植物などを置いて飾ったりすることができます。例えば、階段下に棚を設置して本や雑貨を収納したり、季節の飾り物を置いたりすることで、空間をより豊かに演出できます。また、間接照明を設置することで、階段全体を柔らかな光で照らし、落ち着いた雰囲気を作り出すことも可能です。このように、ささら桁は、機能性とデザイン性を兼ね備えた階段部材として、様々な住宅で活用されています。