
張り天井:美しい天井で快適な空間を
家屋の天井部分には、様々な造り方がありますが、その中でも広く普及している工法の一つに「張り天井」があります。張り天井とは、天井板を下地材に直接張ることで平らな天井面を作り出す工法のことです。天井板を支えるための下地を組み、そこに天井板を張ることで、すっきりとした美しい天井に仕上がります。
張り天井の下地は、主に木材や金属でできた骨組みで構成されています。まず「野縁受け」と呼ばれる部材を天井の梁に固定します。野縁受けは、天井の骨組みとなる重要な部分です。次に、野縁受けに直角に取り付ける「野縁」があります。野縁は、格子状に組むことで天井板を支える役割を果たします。野縁受けと野縁を組み合わせることで、天井板をしっかりと支える頑丈な格子状の構造が作られます。この上に天井板を張ることで、平らで安定した天井面が実現するのです。
天井板には、一般的に石膏ボードが使われます。石膏ボードは、比較的安価で加工しやすく、また耐火性にも優れているため、天井板として広く利用されています。石膏ボードを張った後は、継ぎ目などをパテで埋め、平滑に仕上げます。そして、最後に塗装を施すことで、美しく整った天井が完成します。天井の仕上げ材には、塗料以外にも、壁紙や化粧板など様々な種類があります。部屋の雰囲気や好みに合わせて選ぶことができます。
張り天井は、住宅だけでなく、事務所や商店など、様々な建物で採用されています。施工が比較的容易であるため工期を短縮でき、また天井裏に照明器具や空調設備などを設置できるため、空間を有効に活用できるという利点があります。さらに、天井の高さや形状を自由に設計できるため、デザインの幅も広がります。このように、多くの利点を持つ張り天井は、現代建築において欠かせない工法の一つと言えるでしょう。