小屋束:屋根を支える縁の下の力持ち
家は、屋根、壁、土台といった様々な部品が組み合わさってできています。その中で、屋根を支える骨組みのことを小屋組といいます。この小屋組には、いくつもの大切な部品がありますが、今回ご紹介するのは「小屋束」という部品です。
小屋束は、屋根の斜面を作っている母屋と、水平に渡して天井などを支える梁をつなぐ、垂直に立つ柱のようなものです。屋根の重さは、まず斜めの母屋にかかります。この重さを、小屋束が真下にいる梁へと伝えているのです。梁は、この重さをさらに土台や壁へと伝えていきます。つまり小屋束は、屋根の重さを支え、家全体のバランスを保つという重要な役割を担っているのです。
小屋束は、家の種類や屋根の形、構造によって、その配置や種類が様々です。例えば、屋根の勾配が急な家では、短い小屋束がたくさん必要になります。逆に、勾配が緩やかな家では、長い小屋束が数本あれば十分な場合もあります。また、屋根裏部屋を作る場合には、小屋束の位置や数を工夫することで、広い空間を確保することができます。
普段、私たちが生活する中で、小屋束を目にする機会はほとんどありません。なぜなら、小屋束は屋根裏という隠れた場所に設置されているからです。しかし、屋根裏に上がって天井を見上げると、小屋束が母屋と梁をつないでいる様子を見ることができるでしょう。普段は目に見えなくても、小屋束は家にとってなくてはならない大切な部品なのです。家の構造を支え、私たちの暮らしを守ってくれている小屋束について、少しでも知っていただけたら嬉しいです。