
木材乾燥の重要性
木材乾燥とは、製材後の木材に含まれる水分量を調整する作業のことです。伐採直後の木材はたくさんの水分を含んでいます。この水分量のことを含水率と言います。含水率の高い木材をそのまま使うと、乾燥するにつれて木材が縮んだり、曲がったり、ひび割れたりすることがあります。家の柱や梁のような構造材でこのようなことが起きると、家は傾いたり、隙間ができたりしてしまいます。
このような問題を防ぐため、木材は用途に合わせた適切な含水率まで乾燥させる必要があります。家の骨組みとなる構造用材であれば含水率20%以下、敷居や鴨居といった建具材では18%以下、床板や壁材などの内装材では15%から10%以下が目安です。生きている木には、木の種類にもよりますが、木の重さの1.5倍もの水分が含まれていると言われています。乾燥させることで、木材に含まれる余分な水分を取り除き、木材の寸法を安定させることができます。
木材を乾燥させる方法はいくつかあります。自然乾燥は、木材を屋外で積み重ねて、太陽光と風によってじっくりと乾燥させる方法です。時間はかかりますが、設備費用がかからないという利点があります。一方、人工乾燥は、乾燥室で温度と湿度を調整しながら乾燥させる方法です。短時間で乾燥させることができ、含水率を均一にコントロールできるため、品質の高い木材を得ることができます。
適切な乾燥を行うことで、木材の寸法が安定するだけでなく、強度や耐久性も向上します。腐朽菌や害虫は湿った木材を好みます。木材を乾燥させることで、これらの被害から木材を守ることができます。また、乾燥した木材は軽く、加工もしやすくなります。木材乾燥は、木材を長く、安全に使うために欠かせない大切な工程です。