固定

記事数:(1)

金具

アンカーボルト:家の基礎を支える縁の下の力持ち

アンカーボルトとは、建物を支える上で欠かせない大切な金具です。家を建てる際、まず地面にコンクリートの基礎を作ります。その基礎と、その上に建つ木の柱や梁などの骨組みをしっかりとつなぎとめる役割を担うのが、このアンカーボルトです。船の錨(いかり)のように、家を地面にしっかりと固定することから、この名前が付けられています。 形はアルファベットの「L」字型をしているものが一般的です。コンクリートを流し込む際に、このアンカーボルトをあらかじめ埋め込んでおきます。コンクリートが固まった後、アンカーボルトの曲がった部分が基礎から突き出た状態になります。この突き出た部分に、家の土台となる木材を固定し、ナットでしっかりと締め付けることで、建物全体を基礎にがっちりとつなぎとめます。 アンカーボルトは、地震や台風などの自然災害から家を守る上で、非常に重要な役割を果たします。地震の揺れや強い風を受けた時、家は大きな力を受けます。アンカーボルトがないと、家は基礎からズレてしまったり、最悪の場合は倒壊してしまう危険性があります。アンカーボルトは、こうした外力から家を守る、縁の下の力持ちと言えるでしょう。 アンカーボルトは建物の規模や構造によって、その太さや長さ、本数が決められています。住宅のような比較的小さな建物では、直径12mmから16mm程度のアンカーボルトがよく使われます。また、建物の構造計算に基づいて、適切な長さのアンカーボルトが選ばれます。家の安全を守るためには、設計図通りに、正しい位置に、適切なアンカーボルトが設置されていることが不可欠です。一見地味な金具ですが、家の安全を守る上で、なくてはならない重要な役割を担っているのです。