塩化ビニル系接着剤を使いこなす
塩化ビニル系接着剤とは、その名のとおり、塩化ビニル樹脂を主成分とした接着剤です。塩化ビニル樹脂でできた製品同士をくっつける際に、よく使われます。透明な液体状で、水あめのように粘りのあるものから、サラサラとした水に近いものまで、様々な種類があります。この粘度の違いは、接着するものの大きさや材質、そして求める接着強度によって使い分けられます。
この接着剤のくっつける仕組みは、塩化ビニル樹脂を少しだけ溶かすことで、接着する二つの面を一体化させるというものです。イメージとしては、二つの氷をくっつけたいときに、それぞれの表面を少しだけ溶かして水にし、それをくっつけて再び凍らせるようなものです。塩化ビニル系接着剤の場合は、溶剤が塩化ビニル樹脂の表面を少しだけ溶かし、それが乾くことで再び固まり、接着が完了します。
この接着剤の大きな利点は、乾くのが速いことです。作業時間を短縮できるため、効率よく作業を進めることができます。しかし、使用する際には、溶剤に含まれる成分に注意が必要です。多くの塩化ビニル系接着剤には、引火しやすい成分が含まれています。火気の近くでは絶対に使用しないでください。また、使用中は必ず窓を開けるなどして換気を十分に行い、蒸気を吸い込まないように気をつけましょう。気分が悪くなったり、めまいを感じたりした場合は、すぐに新鮮な空気の場所に移動し、必要に応じて医師の診察を受けてください。安全な作業環境を確保することが、何よりも大切です。