快適な床づくりの基礎:捨て床
家は、人が毎日を過ごす大切な場所で、床はそこで暮らす人の生活を支える重要な役割を担っています。快適に歩くことができ、寒さや暑さから家を守り、外の騒音を防いでくれるのも床のおかげです。そして、床はいくつかの層が重なってできており、それぞれの層が重要な役割を果たしています。
床を構成する層の一つに「捨て張り」と呼ばれるものがあります。捨て張りは、フローリングなどの仕上げ材の下に張られる板のことで、床の強度を高め、安定させるという重要な役割を担っています。普段は隠れていて目にすることはありませんが、住宅の快適性を支える上で欠かせない存在です。
捨て張りは、建物の構造体を支え、床の荷重を分散させることで、床の変形やたわみを防ぎます。また、断熱材の効果を高め、床下の冷気を遮断することで、室内の温度を一定に保つ役割も果たします。さらに、遮音性を高める効果もあり、階下への生活音を軽減するなど、快適な暮らしに貢献しています。
捨て張りに使われる材料は、一般的に合板や構造用パネルなどです。施工方法は、根太と呼ばれる下地材に直接釘打ちする方法が一般的です。
一見すると隠れてしまう部分ではありますが、捨て張りは住宅の快適性を支える重要な役割を担っているのです。家づくりやリフォームの際には、捨て張りの種類や施工方法にも気を配り、快適な住まいを実現しましょう。目に見えない部分だからこそ、しっかりと理解しておくことが大切です。