家相学

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家相

家の方位と暮らし: 鬼門について考える

昔から、家の建て方や間取りを考える上で、「鬼門」という言葉は欠かせないものでした。これは、陰陽道という考え方に基づいたもので、北東の方角を「表鬼門」、反対の南西の方角を「裏鬼門」と呼び、魔物が出入りする方角と考えられてきました。これらの場所には悪いことが起こりやすいと信じられ、家相や風水では特に注意が必要とされています。 表鬼門である北東は、太陽が昇り始める方角です。一日の始まりであると同時に、寒さと暗闇がまだ残る時間帯でもあります。そのため、不安定で邪気が入り込みやすい方角と考えられてきました。反対に、裏鬼門である南西は、太陽が沈む方角です。物事が終わりへと向かう時間帯であり、静けさと同時に衰退のイメージも持っています。このため、同じく良くないことが起こると考えられています。 鬼門の影響は、建物全体だけでなく、庭の草木や台所、お手洗い、風呂場といった水場、家具の置き場所など、生活空間全体に及ぶと言われています。例えば、鬼門に大きな窓や玄関を設けることは避け、鬼門線上にはトイレやお風呂などの水場を配置しないことが良いとされています。また、庭木を植える際にも、鬼門に背の高い木を植えることは避け、清潔に保つことが大切です。これらの場所は、邪気が家の中に入り込むのを防ぐための重要なポイントとなります。 このように、鬼門の考え方は、日本の伝統的な建築や生活様式に深く根付いてきました。鬼門を意識することで、住まいに潜む災いを避け、より良い暮らしを送ることができると考えられています。現代の生活においても、鬼門の考え方を参考にすることで、より快適で安心できる住まいづくりが可能となるでしょう。