小屋束

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工法

家の支えとなる重要な束

家は、様々な部品が組み合わさって出来上がっていますが、その中でも「束(つか)」と呼ばれる部品は、縁の下の力持ちのような存在です。普段は目にする機会が少ない束ですが、家の構造を支える上で、無くてはならない大切な役割を担っています。 束とは、短い柱のようなもので、主に水平方向の部材(梁など)と垂直方向の部材(土台や棟木など)を繋ぐために用いられます。例えば、1階と2階の床の間には、梁が水平方向に渡されていますが、この梁を下から支えるのが束です。また、屋根の一番高いところにある棟木を支える場合にも束が使われています。 束は、床下でよく見られます。床下にもぐり込んで見てみると、地面から束が立ち上がり、床を支えている様子が分かるはずです。家の重さをしっかり支え、不同沈下を防ぐ役割も担っています。不同沈下とは、家が不均一に沈んでしまう現象のことで、家の傾きや壁のひび割れに繋がる恐れがあります。束は、この不同沈下を防ぎ、家の構造を安定させるために重要な役割を果たしているのです。 束の材料としては、木材が一般的です。しかし、木材は湿気に弱く、腐ってしまうこともあります。そこで、最近ではプラスチック製や金属製の束も使われるようになってきました。これらの素材は腐食に強く、耐久性が高いという特徴があります。家を建てる際には、どのような材質の束が、どこにどれくらい使われているのかを確認してみるのも良いでしょう。家の構造を知ることで、より一層我が家への愛着が湧くはずです。
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小屋束:屋根を支える縁の下の力持ち

家は、屋根、壁、土台といった様々な部品が組み合わさってできています。その中で、屋根を支える骨組みのことを小屋組といいます。この小屋組には、いくつもの大切な部品がありますが、今回ご紹介するのは「小屋束」という部品です。 小屋束は、屋根の斜面を作っている母屋と、水平に渡して天井などを支える梁をつなぐ、垂直に立つ柱のようなものです。屋根の重さは、まず斜めの母屋にかかります。この重さを、小屋束が真下にいる梁へと伝えているのです。梁は、この重さをさらに土台や壁へと伝えていきます。つまり小屋束は、屋根の重さを支え、家全体のバランスを保つという重要な役割を担っているのです。 小屋束は、家の種類や屋根の形、構造によって、その配置や種類が様々です。例えば、屋根の勾配が急な家では、短い小屋束がたくさん必要になります。逆に、勾配が緩やかな家では、長い小屋束が数本あれば十分な場合もあります。また、屋根裏部屋を作る場合には、小屋束の位置や数を工夫することで、広い空間を確保することができます。 普段、私たちが生活する中で、小屋束を目にする機会はほとんどありません。なぜなら、小屋束は屋根裏という隠れた場所に設置されているからです。しかし、屋根裏に上がって天井を見上げると、小屋束が母屋と梁をつないでいる様子を見ることができるでしょう。普段は目に見えなくても、小屋束は家にとってなくてはならない大切な部品なのです。家の構造を支え、私たちの暮らしを守ってくれている小屋束について、少しでも知っていただけたら嬉しいです。