市町村長

記事数:(1)

法規

特定行政長:建築確認申請の要

建築基準法に基づき、建物を建てる際の様々な手続きにおいて重要な役割を担うのが、特定行政長です。この特定行政長は、建物の安全確保や災害予防という観点から、国民の生活を守る上で欠かせない存在と言えるでしょう。 特定行政長は、市町村または都道府県知事がその役割を担います。各自治体で建築主事を置いているかどうかによって、誰が特定行政長になるかが決まります。建築主事を置いている市町村では、その市町村の長が特定行政長となります。一方、建築主事を置いていない市町村では、都道府県知事が特定行政長としての役割を果たします。つまり、建築確認申請などの手続きを行う窓口は、その地域が建築主事を置いているかどうかで変わるということです。 では、特定行政長は具体的にどのような役割を担っているのでしょうか。最も重要な役割は、建築確認申請の審査です。建築主や設計者から提出された建築計画が、建築基準法に定められた基準に適合しているかを厳密に審査します。基準を満たしていると判断した場合にのみ、建築確認済証を交付し、建築工事を許可します。これは、建物の安全性確保のために非常に重要な手続きです。 特定行政長は、建築確認申請の審査だけでなく、工事完了後の検査も行います。実際に建てられた建物が、建築確認申請の内容通りに施工されているか、建築基準法に適合しているかを最終確認します。適合が確認された後に使用許可が下り、建物が利用できるようになります。 このように、特定行政長は建物の着工から完成、そして使用開始まで、一貫して建物の安全性を確保する責任を負っています。建築主や設計者、施工者は、特定行政長の指示に従い、適切な手続きを進める必要があります。特定行政長は、建築基準法に基づき、私たちの暮らしを守る重要な役割を担っているのです。