
モジュールで快適な住まいを実現
家を建てる、あるいはリフォームするにあたって、間取りを考えることは楽しい作業であると同時に、とても骨の折れる作業でもあります。窓はどこにどれくらいの大きさで設置するか、ドアはどこに配置し、開閉方向はどうするか、壁の厚みはどうするかなど、様々なことを一つ一つ決めていくのは大変です。そんな時に設計作業をスムーズに進めるための便利な考え方があります。それが「基準寸法」です。
基準寸法とは、読んで字のごとく、設計の基準となる寸法のことです。家の設計図を作成する際に、この基準寸法をあらかじめ決めておくことで、窓やドア、壁などの各部材の寸法をこの基準寸法に基づいて決定することができます。バラバラに寸法を決めるのではなく、基準となる寸法を定めておくことで、設計作業が効率化されるのです。また、あらかじめ決められた寸法に基づいて設計することで、建材の発注や施工もスムーズに進めることができます。
日本では、一般的に基準寸法として90cmがよく用いられています。「尺モジュール」と呼ばれるこの寸法は、日本の伝統的な長さの単位である「尺」に由来し、一尺は約30cm、三尺で約90cmとなります。最近では1mを基準寸法とする「メーターモジュール」も普及してきています。メーターモジュールは、畳の寸法と合わない場合もありますが、空間を広く感じさせる効果や、材料の無駄を減らす効果が期待できます。
このように、家を建てる際には基準寸法を理解することが重要です。基準寸法を理解し、上手に活用することで、理想の住まいを実現するための第一歩を踏み出せるでしょう。