
玄関の式台:家の顔を整える
家の顔とも言える玄関には、式台と呼ばれる板敷きの空間が設けられています。式台は、単なる段差をなくすだけでなく、住まいの快適性や美観に大きく寄与する重要な役割を担っています。
まず、式台は昇り降りの負担を軽減する効果があります。玄関の床と室内の床に高低差がある場合、一段の高さが高すぎると、足腰の弱い高齢者や小さなお子さんにとって負担が大きく、転倒の危険も高まります。式台を設置することで、一段の高さを低く抑え、安全に出入りできるようになります。スムーズな動線を確保することで、家族みんなが安心して暮らせる住まいづくりにつながります。
次に、式台は靴の脱ぎ履きスペースとしても活用できます。屋外の土や埃が付着した靴で室内に上がるのを防ぎ、清潔な住環境を保つために、式台は重要な役割を果たします。式台があることで、靴を脱ぎ履きする場所が明確になり、玄関周りの整理整頓にも役立ちます。また、上がり框と呼ばれる式台の縁部分は、靴べらを使う際にも便利です。
さらに、式台は玄関の奥行きを広げ、空間を広く見せる効果も期待できます。式台を設置することで、玄関に立体感が生まれ、視覚的に広がりを感じさせることができます。限られた空間でも、式台の工夫次第で開放的な印象を与えることが可能です。
このように、式台は安全性、清潔さ、そして美観という3つの側面から、快適な住まいづくりに貢献しています。家の第一印象を決める玄関だからこそ、式台の役割を理解し、住まいに合った適切な設計をすることが大切です。