御影石:高級感あふれる建材
御影石は、火成岩の中でもマグマが地下深くでゆっくりと冷え固まってできた深成岩という種類に分類されます。同じ成分を持つ石に流紋岩がありますが、こちらはマグマが地上に噴き出して急激に冷え固まった火山岩です。このようにできる過程が違うと、石の性質も大きく変わってきます。御影石はゆっくりと時間をかけて冷え固まるため、石の内部で大きな結晶が成長します。この大きな結晶こそが、御影石の美しさの秘訣であり、他の石材にはない高級感を生み出しているのです。結晶の種類や大きさ、色の違いによって様々な表情を見せるため、一つとして同じものはありません。
御影石は古くから高級な石材として扱われ、神社仏閣の鳥居や彫刻、お墓など、長い年月を経ても劣化しにくいという特性を生かして、様々な場所に用いられてきました。また、硬くて傷つきにくいため、研磨することで美しい光沢を出すことができます。この耐久性と美しさは現代建築においても高く評価されており、建物の内外装材として幅広く利用されています。例えば、床材、壁材、階段、キッチンカウンター、洗面台など、私たちの生活空間の様々な場所で御影石を見かけることができます。最近では、技術の進歩により薄く加工することが可能になったため、テーブルや家具などにも利用されるようになり、その用途はますます広がっています。御影石は、時を経ても変わらぬ美しさと風格を保ち続ける、まさに「石の王様」と呼ぶにふさわしい石材と言えるでしょう。