微調整

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設計

リフォームの要!「遊び」の役割

家の改修工事では、「動きに余裕を持たせること」が大切です。これは、ドアや窓、引き出しなどの建具や設備が、支障なく動くための隙間のことです。ドアの開け閉め、引き出しの出し入れ、窓の上げ下げなど、毎日何気なく行う動作も、この隙間があるからこそスムーズに行えます。もし、この隙間が全くないと、部品同士がこすれ合ったり、動きが妨げられたりして、快適な暮らしを送ることが難しくなります。 適切な隙間を設けることで、建具や設備の寿命を延ばし、心地よい住まいを長く保つことができます。例えば、寒い冬に木材が縮んでも、あらかじめ隙間があれば、ドアの開け閉めに問題が生じません。また、年月の経過とともに部品が変形したり、歪んだりしても、この隙間が吸収してくれるため、改修工事の効果を長く維持できます。 具体的に、動きに余裕を持たせる例をいくつか挙げましょう。引き戸を設置する場合、戸袋と引き戸の間に数ミリの隙間を設けます。これにより、戸袋の歪みや湿気による木材の膨張に対応でき、引き戸がスムーズに開閉します。また、窓枠と窓サッシの間にも隙間が必要です。この隙間は、窓の開閉をスムーズにするだけでなく、雨水の侵入を防ぐ役割も果たします。さらに、床材を張る際にも、壁との間に数ミリの隙間を設けることで、床鳴りを防ぎ、木材の伸縮にも対応できます。 このように、動きに余裕を持たせることは、一見すると小さなことですが、快適な暮らしを支える上で非常に重要な要素です。家全体のバランスを考慮し、適切な隙間を設けることで、建具や設備の機能を最大限に活かし、長く快適に暮らせる家を実現できます。目には見えない部分ですが、この隙間こそが、暮らしやすさを支える縁の下の力持ちと言えるでしょう。