
安全で快適な暮らしのための折り返し階段
折り返し階段とは、文字通り階段の途中に踊り場を設け、階段の上り下りの向きを変える構造の階段です。一本の直線で構成される階段とは異なり、階段の途中に方向転換があるため、全体の形はコの字型やL字型といった形状になります。
この折り返し階段は、直線的な階段に比べて設置するために必要な面積が大きくなります。踊り場を作る分の空間が必要となるからです。しかし、踊り場は決して無駄なスペースではありません。安全性や快適性を高める上で、重要な役割を果たしています。
まず、踊り場は休憩場所として利用できます。一段一段の高さは同じでも、長い階段を上り下りするのは大変です。途中に踊り場があれば、そこで一息ついてから、残りの階段を上り下りできるので、楽に移動できます。
また、踊り場は安全面でも大きな役割を果たします。万が一、階段でつまずいたり、足を滑らせたりして転倒した場合でも、踊り場があることで、最下部まで一気に転がり落ちるのを防ぎます。踊り場で転落が止まるため、大きな怪我に繋がる危険性を減らすことができます。特に、足腰が弱くなりがちな高齢者や、まだ足取りが安定しない小さなお子様がいる家庭では、この踊り場の存在は安心材料となります。
さらに、階段全体の圧迫感を軽減する効果も期待できます。長い直線階段は、どうしても単調で圧迫感を与えてしまうことがあります。踊り場で階段を区切ることで、視覚的に変化が生まれ、空間全体を広く見せる効果が期待できます。
このように、折り返し階段は、設置面積こそ広く必要となりますが、安全性、快適性、そしてデザイン性にも優れた階段と言えるでしょう。