持続可能

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間伐材でエコな暮らし

木々が密集した森では、太陽の光が十分に届かず、木の成長が阻害されてしまいます。そこで、森を健康な状態に保つために行われるのが間伐です。間伐とは、木々を間引いて適切な密度にする作業のことを指します。この間伐作業によって伐採された木材が、間伐材と呼ばれています。 間伐は、まるで野菜畑を耕すように、森林の生育環境を整える大切な作業です。密集した森では、個々の木に十分な栄養が行き渡らず、ひょろひょろと弱い木ばかりになってしまいます。間伐によって木々の間隔を調整することで、残された木々に太陽の光が十分に当たり、風通しも良くなります。すると、残された木々はしっかりと根を張り、太くたくましく成長していくのです。こうして育てられた木々は、良質な木材として私たちの生活に役立ちます。 間伐は、木材生産だけでなく、防災や環境保全にも大きく貢献しています。木々が密集した森は、地表が木の葉で覆われてしまい、雨水が地中に浸透しにくくなります。そのため、大雨が降ると、表土が流れ出しやすくなり、土砂災害の危険性が高まります。間伐を行うことで、雨水が地中に浸透しやすくなり、土砂災害の防止につながります。また、水源のかん養にも役立ちます。地中に浸透した雨水は、地下水となって蓄えられ、川や湖に流れ込みます。間伐は、安定した水資源の確保にも貢献しているのです。 間伐材は、一般的に流通している木材と比べると細いものが多く、有効活用が課題となっています。しかし、近年では、建築資材や家具、木質ペレット、紙の原料など、様々な用途で利用されるようになってきています。間伐材を積極的に利用することは、森林の保全と持続可能な社会の実現につながる大切な取り組みです。