掻き落とし

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仕上げ

モルタルリシン掻き落とし:重厚な外観

家の外壁を飾る方法の一つに、モルタルリシン掻き落としがあります。これは、独特の凹凸と重厚感が魅力の仕上げ方法です。まず、セメントを水で練って作ったモルタルを下地に塗ります。このモルタルは、建物の外壁を覆う大切な土台となります。次に、このモルタルの上にリシンと呼ばれる材料を塗っていきます。リシンは、小さな石の粒に、セメントや色をつけるための材料などを混ぜて練り合わせたものです。様々な色のリシンがあるので、家の雰囲気に合わせて選ぶことができます。リシンを塗り終えたら、乾ききる前に表面を道具で掻き落とします。この作業が、モルタルリシン掻き落とし仕上げの一番大切な工程です。掻き落とす際に使う道具の種類や動かし方によって、仕上がりの模様が変わり、様々な表情を作り出すことができます。例えば、ブラシを使うと細かい砂のような模様になり、コテを使うと波のような模様になります。この時、職人の技術と経験が仕上がりの美しさに大きく影響します。丁寧に掻き落とすことで、独特の風合いと深みのある外観が生まれます。モルタルリシン掻き落とし仕上げは、耐久性にも優れており、長期間にわたって建物の美しさを保つことができます。また、汚れが付着しにくいという利点もあります。近年では、様々な色のリシンが開発され、デザインの幅も広がっています。和風建築から現代的な建物まで、幅広い住宅様式に合わせることができるため、家の外観にこだわりたい方にぴったりの仕上げ方法と言えるでしょう。
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掻き落とし仕上げ:壁の表情を楽しむ

掻き落とし仕上げとは、左官職人が持つ高度な技術と、繊細な感覚が織りなす、味わい深い壁の仕上げ方法です。まず下地にモルタルを塗ります。このモルタルは、セメントと砂と水を混ぜ合わせたものです。そして、このモルタルが完全に乾ききる前に、表面を専用の道具、例えばコテや掻き落としベラなどを用いて薄く削り取っていきます。この作業こそが「掻き落とし」と呼ばれる工程であり、職人の腕の見せ所です。削る深さや角度、力の入れ具合などを微妙に調整することで、様々な模様や表情を壁に刻むことができます。 この仕上げの最大の特徴は、唯一無二の風合いを生み出せることです。まるで長い年月を経た古民家のような、アンティークな雰囲気を醸し出すことも可能ですし、反対に、近代的な住宅にもしっくりと馴染む柔軟性も持ち合わせています。これは、型押しや機械による塗装では決して再現できない、手仕事ならではの温もりと言えるでしょう。また、掻き落とし仕上げは、単に見た目の美しさだけでなく、機能性も兼ね備えています。モルタル層が厚いため、耐久性に優れており、ひび割れしにくいという利点があります。さらに、表面に凹凸があることで、光を乱反射させ、柔らかな陰影を生み出す効果もあります。 和風建築の落ち着いた雰囲気にも、洋風建築の洗練された雰囲気にも、幅広い住宅様式に調和する掻き落とし仕上げは、まさに職人の技が光る芸術作品と言えるでしょう。近年では、住宅だけでなく、店舗や公共施設などでも採用されることが増え、その独特の風合いが、空間全体に魅力的な個性を添えています。