お湯の貯め方:貯湯式給湯器
貯湯式給湯器は、お湯をあらかじめタンクに貯めておき、必要な時に使うことができる仕組みです。まるで魔法瓶のように、断熱性の高いタンクに一定量のお湯を保温して貯めておきます。お湯を使う時、例えばシャワーや台所の蛇口をひねると、タンクに貯めてあったお湯が配管を通って蛇口まで送られます。
タンクからお湯が出ていくと、タンクの水位が下がります。この水位の変化を感知するセンサーが内蔵されており、水位が下がると自動的に給水が始まります。水道管から新しい水がタンクに入り、設定温度まで加熱されます。この加熱には、ガスや電気、石油など様々なエネルギー源が利用されます。
この「お湯を使う→水位が下がる→水を供給し加熱する」というサイクルを繰り返すことで、いつでも温かいお湯を安定して使うことができるのです。貯湯式給湯器は、家庭で最もよく使われているタイプの給湯器の一つです。お湯の温度や水圧が安定しているため、快適な入浴を楽しむことができます。シャワー中に急に水温が変化したり、水圧が弱くなったりする心配もありません。
また、構造が比較的単純であるため、故障した場合でも修理や部品交換が容易で、メンテナンス費用を抑えることができます。毎日使うお湯の量がだいたい決まっているご家庭や、一度にたくさんのお湯を使うご家庭に向いています。家族の人数が多いご家庭や、お風呂好きのご家庭では、特にメリットを感じやすいでしょう。
一方で、タンクにお湯を貯めておく必要があるため、設置スペースが必要になります。アパートやマンションなど、設置スペースが限られている場合は、設置場所をよく検討する必要があります。また、タンクに貯めてあるお湯を使い切ってしまうと、新しいお湯が沸くまで待つ必要があります。一度に大量のお湯を使う場合は、お湯が足りなくなる可能性もあるため、注意が必要です。