
工事の要!ベンチマークを理解しよう
家を建てる、あるいは模様替えをする際、まず大切なのが高さの基準となる位置を決めることです。この基準となる高さの位置を示す点を、基準点と呼びます。基準点は、建物の床や天井など、様々な箇所の高さを決めるための起点となります。例えるなら、工事全体の高さの基準となる、ものさしのゼロ点のような大切な役割を果たします。
基準点は、敷地のどこかに杭を打ち込んで表示します。この杭には、標高や基準点からの高さを示す目印が付けられます。そして、この目印を元に、水平器や測量機器を用いて、建物全体の水平垂直を正確に測量していきます。もし基準点の位置が正しく定まっていないと、床に傾きが生じたり、ドアがうまく閉まらなかったり、窓枠が歪んでしまったりと、様々な問題が発生する可能性があります。また、排水管の勾配にも影響が出ることがあり、水がうまく流れずに滞ってしまうといったトラブルも起こりえます。
そのため、工事の初期段階で基準点を正しく設定することは、その後の工事の成功を大きく左右すると言っても言い過ぎではありません。家を建てるということは、設計から始まり、基礎工事、躯体工事、仕上げ工事など、様々な工程を経て完成へと向かう複雑な作業です。その複雑な作業を滞りなく進めるためにも、基準点は欠かせない存在と言えるでしょう。基準点についてしっかりと理解し、適切に活用することで、安心して工事を進めることができます。家を建てる際には、設計者や施工者と基準点について十分に話し合い、共通の認識を持つことが大切です。