
キャットウォークのある家
高い場所に作られた細い通路のことを、猫が軽やかに歩く様子から連想して、猫の通り道という意味で呼ばれています。この通路は、もともとは工場や劇場といった天井の高い建物で、機械の点検や修理をする作業員のために作られました。天井付近にある照明や配管といった設備に、安全かつ手早く行き来できるように設計されています。そのため、転落を防ぐ柵や手すりなどが備え付けられているのが普通です。材質としては、鉄骨や鋼材、軽くて丈夫なアルミなどが使われます。工場などでは、作業の効率を高めるため、この通路に道具や材料を置いておく場所を設けることもあります。劇場では、照明や音響機器の操作、舞台装置の調整などに利用されています。最近では、住宅にも取り入れられることが増えてきました。特に、吹き抜けのある居間など、天井の高い住宅で、空間をうまく使う方法として注目されています。
住宅に取り入れる際には、通路の幅や高さ、素材などを、家の雰囲気や使い勝手に合わせて選ぶことが大切です。収納スペースとして活用したり、室内干し用の物干し場として利用したりするなど、様々な活用方法が考えられます。また、通路の下部に収納棚や机などを配置することで、デッドスペースを有効活用することも可能です。さらに、通路に観葉植物を飾ったり、おしゃれな照明を取り付けたりすることで、空間のアクセントとしても楽しむことができます。ただし、安全性を最優先に考慮し、手すりや柵を必ず設置するなど、安全対策をしっかりと行うことが重要です。また、通路を設置することで、地震や火災などの災害時に避難経路が確保できるかどうかも確認する必要があります。