消えゆく技術:リベット接合
金属の板同士を繋ぎ合わせる方法の一つに、鋲を使う方法があります。これは、接合法と呼ばれ、かつては橋や船、鉄塔といった大きな建造物を作る際に、広く使われていました。
この方法は、まず繋ぎたい板に穴を開け、そこに熱した鋲を差し込みます。この鋲は、熱によって膨らんだ状態になっています。そして、冷えていくにつれて、鋲は縮んでいきます。この縮む力が、板をしっかりと締め付けるため、強くて丈夫な接合部を作ることができるのです。
鋲を使う接合法には、いくつかの利点があります。まず、とても丈夫で長持ちします。そのため、大きな構造物でも、長い間しっかりと支えることができます。また、溶接のように特別な道具がいらないため、現場で作業しやすいのも特徴です。さらに、壊さずに検査できるため、繋ぎ目がきちんとできているかを簡単に確認できます。
しかし、最近では、鋲を使う接合法はあまり見かけなくなりました。これは、溶接技術が進歩したり、高力ボルトと呼ばれる、より強力なボルトを使う接合法が広まったためです。とはいえ、かつての建造物には、今でも鋲が使われているのを見ることができます。それらは、鋲接合の技術がいかに優れていたかを物語っていると言えるでしょう。