趣ある空間を演出する底目板天井
底目板天井とは、住宅やお店などで見られる、味わい深い天井仕上げ材のことです。天井板と天井板の間にわざと隙間を作り、その隙間に細い板を敷き詰めることで、格子のような模様が浮かび上がります。この細い板は敷目板と呼ばれ、天井板と敷目板によって作られる格子が、底目板天井の特徴です。
この隙間があることで、天井に奥行きが生まれ、空間に広がりや開放感を与える効果があります。天井が高いように感じられ、狭い部屋でも圧迫感を軽減することができます。また、敷目板の色や素材、隙間の幅などを変えることで、和風な雰囲気から西洋風の雰囲気まで、様々な空間に合うデザインを作り出すことができます。例えば、敷目板に濃い色の木材を使うと、落ち着いた重厚な印象になりますし、明るい色の木材を使うと、軽やかでモダンな印象になります。
底目板天井は「目透かし天井」とも呼ばれています。名前の通り、板の隙間から向こう側が少し透けて見えることで、独特の陰影と奥行きが生まれます。この隙間から漏れる光が、空間に柔らかな明るさと立体感を与えます。天井全体を底目板で覆うだけでなく、一部にアクセントとして用いることも可能です。例えば、部屋全体は白いシンプルな天井にして、照明器具の周りを底目板で囲むと、照明の光がより際立ち、印象的な空間を演出できます。
照明との組み合わせは、底目板天井の魅力を引き出す重要な要素です。ダウンライトを埋め込むことで、格子の模様がより強調され、空間にリズム感が生まれます。間接照明を使うと、天井全体が柔らかく照らされ、落ち着いた雰囲気を演出できます。このように、照明を工夫することで、底目板天井の表情は大きく変わり、様々な空間演出を楽しむことができます。