
母屋:屋根の要
家は、雨風や日光から私たちを守ってくれる大切な場所です。そして、その大切な家を守る屋根を支えるのに欠かせないのが「母屋」です。母屋とは、屋根の骨組みを支える水平に渡した木材のことです。屋根の一番高いところにある棟木と、家の外周部分を支える桁という木材の間に、棟木と桁に平行になるように設置されます。母屋は、屋根の骨組みの中で重要な役割を担っています。
屋根は、上から見ると様々な形をしています。三角形や四角形、あるいはもっと複雑な形の場合もあります。また、屋根を支える構造も様々です。そのため、屋根の形や構造によって、母屋の大きさや本数は変わってきます。大きな屋根には太くて長い母屋が必要ですし、複雑な形の屋根には多くの母屋が必要になります。どのような屋根の場合でも、母屋は屋根の安定性を保つために欠かせないものです。
母屋は、垂木と呼ばれる斜めの木材から荷重を受け、それを桁に伝えます。垂木は、屋根の表面を支えるために、母屋から棟木に向かって斜めに設置されています。屋根の重さは、私たちが想像する以上に重く、さらに雨や風、雪などの影響も受けます。そのため、母屋には、それらの重さに耐えられるだけの強度が求められます。そのため、一般的には、強度のある木材を使って母屋が作られます。
古くから、日本の伝統的な建物において、母屋は建物を支えるという構造上の重要性だけでなく、その家の格式や風格を表すものとしても考えられてきました。立派な母屋を持つ家は、そこに住む人の財力や社会的な地位の象徴とされていたのです。現代の建築技術では、様々な材料や工法が用いられるようになりましたが、母屋は今もなお、家の重要な部分を支える存在として、なくてはならないものなのです。