壁紙の選び方:紙クロスで快適な空間を
紙クロスは、主な原料に紙を使った壁紙です。紙ならではの風合いと、多様なデザイン展開が魅力となっています。
紙クロスの基材は、木材から作られるパルプを原料とした洋紙です。この洋紙に、様々な加工を施すことで、色や柄、質感を表現します。印刷技術を活かしたプリント加工では、写真のように精細な模様から、手描きのような繊細な模様まで、多様なデザインを再現できます。また、エンボス加工と呼ばれる技法を用いると、表面に凹凸をつけることができ、立体的な模様や、独特の風合いを生み出すことができます。
紙クロスの原料は、パルプだけでなく、楮(こうぞ)や三椏(みつまた)といった和紙の原料を使ったものもあります。これらの伝統的な素材を用いることで、独特の風合いと高級感を演出できます。また、環境への配慮から、ケナフなどの非木材紙を使った紙クロスも注目を集めています。木材に比べて成長が早く、環境負荷が少ないケナフは、持続可能な社会の実現に向けて、重要な役割を担っています。
紙クロスは、デザイン性だけでなく、機能性も向上しています。防汚加工が施された紙クロスは、汚れが付きにくく、落としやすいため、お手入れが簡単です。また、耐水性を高めた紙クロスは、キッチンや洗面所など、水を使う場所に適しています。近年では、消臭機能や調湿機能を備えた製品も登場し、より快適な住まいづくりに貢献しています。
このように、紙クロスは、豊富なデザインと高い機能性を兼ね備え、様々な空間に調和する優れた壁材です。和風、洋風を問わず、どんなお部屋にも合わせやすく、住む人の好みに合わせた空間づくりを叶えてくれます。