網入りガラス:安全のための基礎知識
網入りガラスとは、板ガラスの中に金属製の網が埋め込まれたガラスのことです。この網は、格子状や縞模様になっているものが多く、ガラスの強度を高くするだけでなく、火災や地震などの災害時にガラスが割れても破片が飛び散るのを防ぐ役割を果たします。
火災の際、通常のガラスは熱で割れると鋭利な破片となって飛び散り、火災の拡大や避難の妨げになる危険性があります。しかし、網入りガラスは内部の金属網がガラス片を繋ぎ止めるため、たとえ割れても破片がバラバラに飛び散るのを防ぎ、延焼を防ぐ効果があります。このため、防火地域や準防火地域に指定された建物では、網入りガラスの使用が義務付けられている場合が多く、窓や防火戸などに広く用いられています。
また、地震などの災害時にも、網入りガラスは建物の倒壊や家具の転倒によってガラスが割れた場合でも、破片の飛散を抑制し、怪我の防止に役立ちます。
網入りガラスは、透明なガラスの中に金属網が透けて見えるという独特の見た目を持っています。この金属網はガラスの製造過程で埋め込まれるため、非常に丈夫で剥がれる心配はありません。網入りガラスの種類も様々で、透明度の高いものや網目が細かいものなど、用途に合わせて選ぶことができます。
網入りガラスは安全性と機能性を兼ね備えた建材として、防火戸や窓ガラス、間仕切り壁など、様々な場所で活躍しています。しかし、熱割れしやすいという欠点も持っています。急激な温度変化によって割れることがあるため、設置場所や使用方法には注意が必要です。また、視界がやや歪んで見える場合もあるため、景観を重視する場所にはあまり適していません。