太陽の恵みで快適に!パッシブソーラー設計
近ごろ、電気やガス、灯油といったものの値段が上がり、家計への負担が大きくなっています。そんな状況の中で、太陽の熱をうまく使って暮らす工夫、つまりパッシブソーラーシステムが注目を集めています。パッシブソーラーシステムとは、特別な機械や装置を使うことなく、家の設計段階から太陽の光や熱を最大限に取り入れることで、冬は暖かく、夏は涼しく快適に過ごせるようにする仕組みのことです。
パッシブソーラーシステムを取り入れるためには、まず太陽の動きを理解することが大切です。太陽は季節によって高さや角度が変化します。例えば、冬は太陽高度が低いため、南向きの窓から多くの光を取り入れることができます。逆に、夏は太陽高度が高いため、直射日光を遮る工夫が必要です。家の間取りや窓の位置、ひさしの大きさなどを工夫することで、季節に合わせた太陽熱の利用を可能にします。
初期費用は多少かかりますが、長い目で考えると光熱費の節約になり、家計に優しい暮らしを実現できます。加えて、エネルギーの消費を抑えることができるため、地球環境にも貢献できます。つまり、経済面と環境面の両方から見てメリットが大きいのです。
具体的な設計手法としては、南向きの大きな窓を設置したり、窓の周りに断熱材をしっかりと入れる、あるいは夏の日差しを遮るためのひさしや、落葉樹を植えるといった方法があります。床や壁に蓄熱性の高い素材を使うことも効果的です。蓄熱とは、日中に太陽の熱を蓄え、夜間にゆっくりと放熱する仕組みのことで、冬場の室温を一定に保つのに役立ちます。
次の章では、パッシブソーラーシステムの具体的な設計手法について、より詳しく解説していきます。