舟底天井:広く落ち着いた空間演出
舟底天井はその名の通り、ひっくり返した船底のような形をしています。天井の中央部分が山の頂上のように一番高く、そこから左右の壁に向かってなだらかに傾斜していくため、逆さの「ハ」の字のような形を描きます。この独特な形が、空間に広がりと奥行きを生み出す鍵です。
普通の平らな天井とは違い、視線が自然と上へと導かれるため、実際の広さよりもずっと広く感じられます。天井の高さを上げる工事と組み合わせれば、さらに開放的な空間を演出することもできます。まるで空に浮かんでいるかのような、広々とした気分を味わえるでしょう。
また、傾斜した天井面は、光と影の柔らかな模様を作り出します。そのため、空間に落ち着いた雰囲気が生まれます。まるで、穏やかな木漏れ日が差し込む森の中のような、静かで心地よい空間を演出できるでしょう。天井中央の一番高い部分や、傾斜の角度を調整することで、空間に与える印象を細かく変えることも可能です。例えば、傾斜を緩やかにすれば落ち着いた雰囲気に、急な傾斜にすれば躍動的な印象になります。
舟底天井は、見た目だけでなく、空間の広がりや雰囲気作りにも役立つ、魅力的な天井の形と言えるでしょう。デザイン性と機能性を兼ね備え、様々な空間に個性と落ち着きを与えてくれます。新築だけでなく、リフォームでも取り入れやすく、空間を劇的に変える力を持っています。